「鳥なき里の蝙蝠」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
鳥なき里の蝙蝠
【読み方】
とりなきさとのこうもり
【意味】
本当にその分野の優れた人がいないところでは、少し詳しいだけであたかもその分野の専門家のように威張り、偉そうにする人を意味する。
鳥がおらんから蝙蝠が自由に飛び回るってことやね。それで、その場では大物ぶってるけど、本当にすごい人が現れたら何もできへんっていう皮肉やな。実力がないのに威張るのは、ちょっと滑稽やね。実際の実力をしっかりつけることが大事やな。
【語源・由来】
ネズミの仲間である蝙蝠は、鳥のいないところではただ空を飛べるからと、あたかも鳥であるかのように我が物顔で飛び回っているということから。
【類義語】
・鼬の無き間の貂誇り
・犬のいない所では狐が王様
・鷹がいないと雀が王する
・鷹のない国では雀が鷹をする
・貂なき森の鼬
・貂なき山に兎誇る
・鳥なき島の蝙蝠
【英語訳】
・He that has one eye is a king among the blind.
・The best man in the company when there is no more.
「鳥なき里の蝙蝠」の解説
「鳥なき里の蝙蝠(こうもり)」という表現は、優れた者や強い者がいない場所で、平凡で目立たない人が偉そうに振る舞うことを例えた言葉だよ。
このことわざは、本来は飛べる鳥に劣る蝙蝠が、鳥がいない場所では一番偉い存在になるという状況から来ているんだ。つまり、実際にはそれほどすぐれていない人が、周りに優れた人がいない環境で自分が大きな存在であるかのように振る舞うことを揶揄(やゆ)しているんだね。
例えば、ある小さな集団の中で、普通の能力しかない人が、他に比較する人がいないために自分が一番と思い込み、いばっている状況を「鳥無き里の蝙蝠」と表現することがあるよ。
この言葉は、自分の立場や能力を誤解している人の振る舞いを風刺するために使われることが多いんだよ。
「鳥なき里の蝙蝠」の使い方
「鳥なき里の蝙蝠」の例文
- 能力があると勘違いしている、在籍だけが長いベテラン社員は傍から見れば鳥なき里の蝙蝠状態である。
- 私の勤めている会社は小さく社長不在が多々あるが、そういう時にあたかも自分が社長であるかのように幅を利かせる年配の先輩の姿は、まさに鳥なき里の蝙蝠である。
- 鳥なき里の蝙蝠というもので、サークル内に必ず一人は勘違いして威張り散らす先輩がいる。
- メンバーの中では上手い方ではあるがそれはメンバー全員が初心者なだけで、決してその人も経験者に比べれば上手とは言えないはずなのに、偉そうに教える姿はまさに鳥なき里の蝙蝠である。