【ことわざ】
歩く足には泥がつく
【読み方】
あるくあしにはどろがつく
【意味】
どんなことでも、物事を行えば、それに伴って煩わしいことや面倒な関わりが生じるというたとえ。


【類義語】
・歩く足には塵がつく(あるくあしにはちりがつく)
・歩めば土つく(あゆめばつちつく)
・歩く足には棒当たる(あるくあしにはぼうあたる)
「歩く足には泥がつく」の語源・由来
「歩く足には泥がつく」は、外へ出て歩けば、どんなに気をつけても足に泥がつくという、身近な経験をもとにしたことわざです。そこから、物事を行えば、面倒なことやわずらわしい関わりが必ず生じる、という意味に広がりました。
このことわざのもとにあるのは、特別な人物の逸話ではなく、日常の動作から生まれた比喩です。何もせずにじっとしていれば、足は汚れません。しかし、目的地へ向かって歩き出せば、道の泥や土が足につきます。この「歩く」と「泥がつく」の関係を、人の行動と面倒ごとの関係に重ねているところに、このことわざの分かりやすさがあります。
同じ考え方を表す言い方に、「歩く足には塵がつく」があります。「塵」は細かなほこりやよごれを表し、「泥」よりも小さなものまで含めて、外へ動けば必ず何かが身につくという意味を強めます。この形でも、物事を行えば煩わしいことが起きる、または何もしないほうが無難だ、という意味で用いられます。
さらに「歩めば土つく」という短い形もあり、外を歩けば足に土がつくのは当然だというところから、何かをしようとすれば苦労が伴う、という意味を表します。「泥」「塵」「土」は少しずつ感じの違う言葉ですが、いずれも「動けば、よごれや支障を避けられない」という同じ発想に支えられています。
また、「歩く足には棒当たる」という近い言い方では、外に一歩踏み出せば足に棒が当たるような障害が伴う、という説明が加わります。こちらは、動けば災難にあうこともあるという面を強く示す一方で、何もしなければ大きなことも起こらないという考えにもつながります。
このように、「歩く足には泥がつく」は、行動をむやみに否定するだけのことわざではありません。行動する以上、面倒や失敗はつきものだという現実を、足につく泥という具体的な姿で表した言い方です。現在では、何かを始めるときの支障や、動いたために受ける面倒を冷静に受け止める場面で使われます。
「歩く足には泥がつく」の使い方




「歩く足には泥がつく」の例文
- 新しい委員会を立ち上げれば、歩く足には泥がつくで、細かな相談や調整が増える。
- 地域の清掃活動を始めたら苦情も来たが、歩く足には泥がつくと思って丁寧に対応した。
- 家の片づけを本気で始めると、歩く足には泥がつくように、捨てる物の判断で悩む場面が出てくる。
- 会社の改善案を出せば、歩く足には泥がつくで、反対意見への説明も必要になる。
- 友だち同士の仲直りを手伝うと、歩く足には泥がつくように、思わぬ誤解を受けることもある。
- 文化祭の準備を引き受けた以上、歩く足には泥がつくのだから、面倒な確認作業も最後まで行う。
主な参考文献
・佐竹秀雄・武田勝昭・伊藤高雄編、北村孝一監修『故事俗信ことわざ大辞典 第二版』小学館、2012年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。























