『晏子春秋(あんししゅんじゅう)』は、中国春秋時代の斉の名宰相、晏嬰(あんえい)の言行を集録した書で、8編からなる200章以上の説話が収められています。
霊公・荘公・景公の3代の君主に仕えた晏嬰の言行を基に、後世の人々が編集したものです。成立年代には諸説ありますが、春秋期ではなく、ほぼ戦国期の斉(前386‐前221)で晏嬰の名を冠して編成されたとされる。
初めて『晏子春秋』に関する記録が言及されたのは、紀元前2世紀後半の司馬遷の『史記』で、この時代には多くの学者がそのテキストのコピーを持っていたと伝えられています。
前漢の劉向によって、30巻あった説話集が8巻に再編集され、現代に伝えられています。1972年に山東省で大量の竹簡「銀雀山漢簡」が発見され、これによって『晏子春秋』の説話の初期の存在が確認されました。
内容としては、儒家の仁政や墨家の兼愛・倹約の思想を取り入れたもので、事実を元にした記録よりも歴史小説的な要素が強いとされます。