「堂に入る」の意味(出典・英語訳)
【ことわざ】
堂に入る
【読み方】
どうにいる
【意味】
・ある事に熟達(じゅくたつ)していてみごとでさまになっていること。
・学問・技芸の真髄(しんずい)をきわめていること。
その道を極めて、熟練したレベルになってるんやね。
【出典】
「論語」で「堂に升(のぼ)りて室に入らず(奥義を極めるに至っていない)」からです。意味は学問や技芸はそこそこ上達しているが、「堂=客間」にのぼった程度で、まだ「室=奥の間」まで入っていないということです。
【英語訳】
He is an expert at making an address. (彼の演説は堂に入っている)という表現ができます。
「堂に入る」の解説
「堂に入る」ということわざは、「堂に升(のぼ)りて室に入らず」という言葉からきているんだ。この表現は、学問や技芸などで非常に優れていて、その分野の深いところまで理解している状態を表しているんだよ。
このことわざは、文字通りには「堂の段を上がって部屋に入る」という意味だけど、比喩的には「ある分野で高いレベルに達している」や「技術的に熟練していて、その技能が身についている」という意味で使われるんだ。
たとえば、ピアノを長年練習して、難しい曲を自由自在に弾けるようになった人や、数学で複雑な問題を簡単に解けるようになった学生などは、「堂に入る」と言えるんだよ。これは、ただ基本的なことを知っているだけでなく、その分野の深い知識や技能を身につけ、自然とそれを表現できるようになっている状態を指しているんだ。
「堂に入る」という言葉は、その人がその分野で熟練していることを賞賛するときに使われるんだね。
「堂に入る」の使い方
「堂に入る」の例文
- 素晴らしい演奏で、なかなか堂に入ったものでした。
- そのろくろの使い方、堂に入っていますね、何年ほど練習されたのですか。
- 練習の賜(たまもの)です、動きに無駄が無く堂に入っています。
- 姿形は堂に入っているが、実力はどうでしょうか。
まとめ
このことわざの使い方として正しくはありませんが、時に一見凄そうだ、外見は一流だという意味で使う場合があります。堂が客間ですから、そういう使い方も良いのでしょうか。それでも意味としては熟練しているということですから、室(奥の間)に入る奥義の領域に達するとはどれほどの力や技量なのでしょうか。ちなみに「奥義」とは学芸や武術などの奥深い肝要な事柄です。事柄ですから単に技術や技量ではなくて精神的なものも含まれるのでしょう。武道を習っているときに「守破離(しゅはり)」ということをよく言われました。「守」まずは形を守ること。「破」形を研究して自分にあったより良い形をつくり基本の形を破ること。「離」最後は形から離れて自在になること。奥義とはこの自在の域(いき)なのでしょう。