「一将功成りて万骨枯る」の意味(出典・故事・類義語・英語)
【ことわざ】
一将功成りて万骨枯る
「功成りて」は「功成って」ともいう。
【読み方】
いっしょうこうなりてばんこつかる
【意味】
一人の将軍の輝かしい功名の陰には、幾万の兵が屍を戦場にさらした結果である。功績が上層の幹部のみに帰せられ、その下で犠牲になって働いた多くの人々が顧みられないことを嘆く語。
縁の下の力持ちになっている人を忘れるなという戒め。
そうかいな。つまり、「一人の大将が成功した裏には、命を捧げたたくさんの兵士がおる」ってことやな。
成功を収めた人が輝いて見えるけど、その影でいっぱいの人が努力し続けているってことを忘れてはあかんってことやな。これはみんなの努力を大切にすることの大切さを教えてくれるな。
【出典】
中国・唐の曹松「己亥歳」による。
【故事】
唐の時代の末期には、各地に多くの戦乱が起こっていた。将軍が功名を争う陰には、犠牲になった無名の兵などたくさんの屍が戦場にさらされていることを嘆いたことが由来。
【類義語】
小の虫を殺して大の虫を助ける
【英語】
It is the blood of the soldiers that makes the general great.
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「一将功成りて万骨枯る」の解説
カンタン!解説
「一将功なりて万骨枯る」の言葉は、古代中国の詩人、曹松が書いた詩からきているんだよ。
この詩は、一人の将軍の大いなる成功の裏には、たくさんの兵士たちが戦死し、その骨が白骨化するという悲しい現実がある、ということを描いているんだ。
この言葉は、一人の成功が、その裏にある多くの人々の努力や犠牲によって支えられていること、そして、それらの努力や犠牲を決して忘れてはならないという教えをぼくたちに伝えているんだよ。
「一将功成りて万骨枯る」の使い方
あいつはひどいよ!
健太くん、なにかあったの?
夏休みにみんなで協力して自由研究をしたのに、あいつは自分だけのものだと発表して、先生に褒められていたんだ。
まあ、一将功成りて万骨枯るだったのね。
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「一将功成りて万骨枯る」の例文
- みんなで協力して企画した計画だったのに、成功したら部長は自分だけの手柄にするなんて、一将功成りて万骨枯るじゃないか。
- たくさんの人があの作品を作るために力を貸したけれど、彼は自分の作品だと発表して賞をもらったなんて、一将功成りて万骨枯るだよ。
- あの会社の社長は、一将功成りて万骨枯るというらしくて、たくさんの社員が会社をリストラされているようだよ。
- あれほど協力したけれど、部下のことを無視して自分だけ受賞するなんて、一将功成りて万骨枯るとはこのことをいうのか。
- 社長は自分が苦労をして会社を大きくしたと話していたけれど、一将功成りて万骨枯るというように、どれほどの犠牲があったかわからない。
これは、成功者やリーダーだけが名誉を得る現象を批判する言葉だよ。