「言わぬが花」の意味(語源由来・類義語・対義語・英語訳)
【ことわざ】
言わぬが花
【読み方】
いわぬがはな
【意味】
あまりはっきりと口に出していわない方が、味わいやおもしろみがあってよいということ。
無駄なことを言うと、逆にトラブルのもとになることもあるから、黙っていた方がええ場面もあるってことやね。
口に出さずだまっているほうが、花のようにおもむきがあることから。
【類義語】
・言わぬは言うにまさる
・沈黙は金
【対義語】
・言い勝ち功名
・言わぬ事は聞こえぬ
【英語訳】
・Silence is golden.
・Silence is wisdom when speaking is folly.
・Speech is silver,silence is golden.
・Better leave it unsaid.
「言わぬが花」の解説
「言わぬが花」っていうことわざは、昔の日本の劇、浄瑠璃の『新版歌祭文』という作品の中に出てくるセリフからきているんだよ。
この劇の中のセリフ、「三々九度うは言はぬが花嫁」が元になって、今の「言わぬが花」っていう言葉になったんだ。
この「三々九度」っていうのは、「何度も何度も」という意味なんだよね。だから、全体で訳すと、「何度も何度も言うより、黙っているほうがきれいだよ」っていう意味になるんだ。これが短くなって「言わぬが花」ということわざになったわけ。
全部言葉に出してしまうと、相手が嫌な気分になったり、驚いたりすることもあるじゃない?でも、全部言わないで少し想像させると、それが相手にとってはもっと楽しいかもしれないし、理解も深まるかもしれないんだ。
だから、この「言わぬが花」っていうことわざは、「全部言わなくてもいいよ、ちょっと想像力を働かせてみてね」っていう教えなんだよ。
「言わぬが花」の使い方
「言わぬが花」の例文
- 健太くんは、おばあちゃんの家に遊びに行った時、立派な桜の木を見つけた。おばあちゃんには内緒にしておいて、「言わぬが花」の気持ちで、お花見の時にサプライズをしようと考えた。
- 妻がつくってくれた今朝の味噌汁は、味がうすすぎると思ったけれど、妻の前では言わぬが花だ。
- 運動会のリレーで、クラスが練習の成果を発揮し、勝利を目指していた。しかし、練習の成果を他のクラスに話さず、「言わぬが花」で運動会本番に挑んだ。
- 彼女が恋心を隠していることをみんなが知っていたが、言わぬが花だと思って誰もそれを口にしなかった。
- お母さんが初めて手作りのケーキを作ってくれたけれど、ちょっと焦げていた。でも、言わぬが花と思っておいしいと言って笑顔で食べた。
- 彼女は昇進の話を聞いて内心喜んでいたが、周りに自慢することは避けた。そうすることで、他の人たちも彼女の成功を心から祝福できると思っていた。「言わぬが花」という考え方で、彼女は謙虚さを保っていた。
- ランチタイムに部長の離婚話で盛り上がったが、結局のところ本当に離婚するかどうかは言わぬが花なんだろうと思った。
- 合コンに参加したらものすごい美人がいて驚いた。男性陣はこのメンバーの中で誰が一番好みのタイプなのか、彼女にしつこく聞いていた。彼女は涼しい顔で「それは言わぬが花でしょ」と言って、男性陣を軽くあしらっていた。
- 会議で部長の意見に対して異論を持っていたが、言わぬが花と考えてその場では意見を控えた。
- 言わぬが花ということわざは、日本人のように「場の空気を読む」事が得意な国民性を表していると言えますね。