「汗馬の労」の意味(語源由来・出典・類義語・英語訳)
【ことわざ】
汗馬の労
【読み方】
かんばのろう
【意味】
戦場での功績のこと。
または、他人のために東奔西走する苦労のこと。
馬も大汗をかくほどの活躍って、それだけでどれだけ大変か伝わってくるわ。
【語源・由来】
君主の側近の者が、権門にへつらい、賄賂をもらい、重臣の私的な頼みを聞き入れるけれど、戦場を駆け回って功績のある者は退ける。とあることに基づく。
または、「水を下って浮かばば、一日に行くこと三百余里、里数多しと雖も、汗馬の労を費やさず」船便を使えば、一日に進む距離は三百里余りで、馬による運搬の苦労をしなくてすむ。とあることから、物資を遠くへ運ぶ苦労のことも意味する場合がある。
【出典】
「韓非子」五蠧
「その近御の者、私門に積み、貨賂(かろ)を尽くして重人の謁(えつ)を用い、汗馬の労を退く」
「戦国策・楚」
【類義語】
・犬馬の労(けんばのろう)
【英語訳】
It is an excellent outstanding job.
「汗馬の労」の解説
「汗馬の労」っていう言葉は、古い「史記」という本から出てきた表現なんだよ。この言葉には2つの意味があるんだ。
1つ目の意味は、戦争のときに馬をしっかりと走らせて戦場でがんばったこと、つまり戦功を指しているんだ。想像してみて。戦争の真っ只中で、馬は激しく走り、体じゅうに汗をかいて戦っている様子。そんな戦場での活躍を「汗馬の労」という言葉で表現しているんだよ。
2つ目の意味は、戦争に限らず、どんなことでも、目的を達成するために一生懸命駆け回って努力することを言うんだ。例えば、学校の文化祭を成功させるために、準備から片付けまで大変な努力をしている時や、仕事でのプロジェクトをまとめるために色々と動き回っている時などに使われることがあるよ。
要するに、「汗馬の労」は「一生懸命努力して得た成果や、そのための苦労」という意味が込められている表現なんだよ。
「汗馬の労」の使い方
「汗馬の労」の例文
- 長年勤めてきたこの会社を存続させるためには、汗馬の労もいとわないよ。
- 汗馬の労もいとわないというけれど、子供のためならどんな苦労も耐えられる。
- この会社を再建するのは、簡単なことではない。しかし、汗馬の労もいとわないと思っている。
- 汗馬の労を賞する。
まとめ
他人のためにあちこちへ駆けずり回るというと、とても簡単なことではないですね。
しかし、親や子供など家族のことや、深い恩を感じている人に対してならば、汗馬の労もいとわないと思うのではないでしょうか。
戦の最前線で馬を駆使して奮闘することから、一大事での勇猛な戦功のこと、また、ただ戦場に限らず、日常の中で目の前の問題や課題に取り組み、努力や奮闘を惜しまない様子をこの言葉で形容することもあるんだ。