「冠古けれども沓に履かず」の意味(語源由来・出典・類義語)
【ことわざ】
冠古けれども沓に履かず
「古」は「旧」とも書く。
【読み方】かんむりふるけれどもくつにはかず
【意味】
貴賤上下は決まっているので乱してはいけないというたとえ。また、良いものは傷んでも価値があるということ。
「冠古けれども沓に履かず」という言葉は、役割や立場を乱すべきでないこと、そして価値あるものは古くなってもその価値が変わらないことを表しているんだよ。
あぁ、それはつまり、ものごとにはちゃんとした順序や位置があって、それをバラバラにしちゃダメってことやな。
そして、ええものは古くなっても、それなりに価値があるってこと。年季が入ったものにも、ちゃんとした価値があるってわけやね。
【語源・由来】
冠は頭にのせるものだから、古くなったとしても足に履く靴にすることはしないという意味から。
【出典】
「韓非子」
【類義語】
・冠敝ると雖も必ず首に加う
・履新しと雖も冠となさず
・腐っても鯛
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「冠古けれども沓に履かず」の解説
カンタン!解説
「冠古けれども沓に履かず」という言葉を子供にわかりやすく説明すると…
「冠古けれども沓に履かず」はね、物や人それぞれが持っている価値や役割をちゃんと理解して、それを尊重するっていうことを教えてくれる言葉だよ。
たとえば、古くなった王冠(それは特別なものだからね)を靴として使ったりしないよね。だって、王冠は頭にかぶるもので、それを足に履くのはおかしいよね。このことわざは、ものごとの価値や立場を間違えないように、と言っているんだ。
もうひとつの「腐っても鯛」という言葉は、たとえ古くなっても、そのものが持っている価値は変わらないってこと。たとえば、鯛は高級な魚で、たとえ古くなってもそれは変わらないっていう意味だよ。
だから、この言葉は、物や人の本当の価値を大切にし、それぞれの役割や立場を尊重するっていうことを伝えているんだね。
「冠古けれども沓に履かず」の使い方
健太くん。そこは座っちゃダメ。
空いているのに?
そこは目上の人用の席。冠古けれども沓に履かずよ。
座り方にもマナーがあるんだね。
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「冠古けれども沓に履かず」の例文
- 再利用やリサイクルが流行っているが、冠古けれども沓に履かずだ。
- 貴賎がはっきり分かれていることで秩序を保つ。庶民に開かれた皇室は冠古けれども沓に履かずに反し、境界があいまいで存在意義がよく分からなくなりつつある。
- 腐っても鯛、冠古けれども沓に履かずだから、落ちぶれても元貴族は貴族だから敬意を表する。
- 古びていても神社は神様の住まいだから、冠古けれども沓に履かずで粗雑に扱ってはいけない。
- 冠古けれども沓に履かずで、古いものでも価値を認められたものはアンティークと呼ばれ大事にされる。