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【棺桶に片足を突っ込む】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

棺桶に片足を突っ込む

【慣用句】
棺桶に片足を突っ込む

【読み方】
かんおけにかたあしをつっこむ

【意味】
年をとって老い先が短いことのたとえ。死期が近い状態を、棺桶の中へ片足だけ入れている姿にたとえた言い方。

ことわざ博士
棺桶に片足を突っ込むは、死が近づいていることをややくだけた比喩で表す言い回しだよ。
助手ねこ
自分の老いを冗談めかして言う場面に使われることもあるが、他人に向けると失礼になりやすいニャン。

【英語】
・have one foot in the grave.(老齢や病気のため、死が近い)

【類義語】
・老い先が短い(おいさきがみじかい)
・余命いくばくもない(よめいいくばくもない)
・死期が迫る(しきがせまる)

【対義語】
・長生き(ながいき)
・長命(ちょうめい)

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「棺桶に片足を突っ込む」の語源・由来

慣用句を深掘り

「棺桶に片足を突っ込む」は、「棺桶」「片足」「突っ込む」という三つの具体的な言葉から成る比喩表現です。「棺桶」は、死人を入れて葬るための木の桶を指し、古い用例として、『独吟一日千句』(1675年・江戸時代前期)に「棺桶」の語が出てきます。

「棺」は、死体を入れて葬る箱を指す言葉で、古くは「ひつき」ともいいました。『日本書紀』(720年・奈良時代成立)にも、死者を納めるものとしての「棺」の用例が出ています。

「片足」は、二本ある足のうち一方の足を指します。片足だけをある場所へ入れるという言い方は、体の一部がすでにその領域へ入り、残りの体はまだ外にある、という中間の状態を思い浮かばせます。

「突っ込む」は、勢いよく入れる、またはすっぽりと入れるという意味をもちます。このため、「棺桶に片足を突っ込む」という形は、死の場所へ半ば入りかけている姿を、強く印象づける言い方になっています。

この表現の要点は、実際に棺桶へ足を入れるという動作ではありません。生きてはいるものの、年齢や衰えのために死が近づいている状態を、棺桶の内と外の境目に立っているようにたとえたものです。

古い辞書的な形では、「棺桶へ片足踏み込む」という表記も用いられます。この形では、「踏み込む」と「突っ込む」が並べて示され、どちらも、片足が棺桶の中へ入るという比喩の骨組みを共有しています。

用例としては、井上光晴の長編小説『地の群れ』(昭和38年、井上光晴著)に、「片足を棺桶につっこんどる」という形が出てきます。この作品は長崎県を舞台にした小説で、昭和38年に刊行されました。

この用例では、高齢になった人について、年をとれば体の不調が増えるという話の流れの中で使われています。つまり、単に病気で危ないというより、老いによって死が近くなったことを、ややざっくばらんな口調で表す言い方として使われています。

「棺桶に片足を突っ込む」は、英語の “have one foot in the grave” ともよく対応します。この英語表現も、片足がすでに墓の中にあるという姿から、老齢や病気によって死が近いことを表します。

ただし、日本語でも英語でも、この表現にはやや強い言い方という性質があります。本人が自分の老いを冗談めかして言う場合には使いやすい一方、他人に向けて使うと、相手の年齢や命に直接ふれるため、失礼に聞こえやすい言い方です。

現在では、文字どおりの葬送の場面ではなく、「もうかなり年をとった」「長くはない」という意味を強く表したいときに使われます。棺桶の中へ片足だけ入っているという絵によって、生と死の境目に近づいている状態を分かりやすく表す慣用句として定着しています。

「棺桶に片足を突っ込む」の使い方

健太
おじいちゃんが、わしも棺桶に片足を突っ込む年になったって笑っていたよ。
ともこ
自分で言うなら冗談になることもあるけど、ほかの人が言ったら失礼になりそうだね。
健太
うん。だから、長生きしてねって伝えたんだ。おじいちゃん、将棋はまだまだ強いんだよ!
ともこ
それなら、次に会ったら一局お願いしてみたら? きっと喜んでくれるよ。
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「棺桶に片足を突っ込む」の例文

例文
  • 祖父は棺桶に片足を突っ込む年だと笑いながら、毎朝の散歩を欠かさない。
  • 棺桶に片足を突っ込むような年になっても、新しい本を読む楽しみは変わらない。
  • 父は自分のことを棺桶に片足を突っ込む身だと言うが、庭仕事では家族のだれよりも元気だ。
  • 棺桶に片足を突っ込むなどと人に向かって言うのは、相手を傷つけるおそれがある。
  • その作家は、棺桶に片足を突っ込む年齢になってからも、力強い作品を発表し続けた。
  • 棺桶に片足を突っ込むという言い方は、自分の老いを冗談めかして語る場面で使われることが多い。

主な参考文献

・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・松村明監修『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・公益財団法人日本漢字能力検定協会編『漢検 漢字辞典 第二版』日本漢字能力検定協会、2014年。
・井上光晴『地の群れ』河出書房新社、1963年。
・『日本書紀』720年。
・Cambridge University Press『Cambridge Dictionary.』
・Merriam-Webster『Merriam-Webster Dictionary.』





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