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【狩人罠にかかる】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

狩人罠にかかる

【ことわざ】
狩人罠にかかる

【読み方】
かりゅうどわなにかかる

【意味】
人を陥れようとたくらんだ本人が、逆に自分の仕組んだ計略にはまり、災難にあうこと。

ことわざ博士
狩人罠にかかるは、人に害を与えようとした悪だくみが、自分自身に返ってくることを表すことわざだよ。
助手ねこ
相手をだまそうとした計画が失敗し、かえって自分が困る場面で用いるニャン。

【英語】
・The biter gets bit.(人を害しようとした者が、かえって自分の行いで苦しむ)
・hoist with one’s own petard.(自分の仕掛けた策で自分がやられる)

【類義語】
・策士策に溺れる(さくしさくにおぼれる)
・自縄自縛(じじょうじばく)
・人捕る亀が人に捕られる(ひととるかめがひとにとられる)

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「狩人罠にかかる」の語源・由来

ことわざを深掘り

「狩人罠にかかる」は、獲物を捕るために罠を仕掛けるはずの狩人が、かえって自分の罠にかかってしまう姿をもとにしたことわざです。そこから、人を陥れようとして仕組んだ悪だくみによって、自分がひどい目にあうことを表すようになりました。

「狩人」は、「かりびと」が音変化した言葉で、狩猟を職とする人、つまり猟師を指します。ことわざの中の狩人は、獲物を追い、罠を仕掛ける側の人物として描かれています。

「罠」は、もとは縄や竹などを輪の形にして、その中に入った鳥や獣を締め、生け捕りにする仕掛けを指します。そこから広く、網や落とし穴など、鳥獣を捕らえる仕掛け全般を表すようになりました。

この「罠」の古い用例として、『古事記』(712年・奈良時代)中巻の歌謡には、「宇陀の 高城に 鴫和那張る」という表現が出てきます。ここでは、鴫を捕らえるために罠を張るという、具体的な狩りの場面に近い意味で使われています。

また、『日本書紀』(720年・奈良時代)神代下の古い訓には、「川鴈有りて羂に嬰りて」とあり、鳥が罠にかかって苦しむ場面が出てきます。これは、「罠にかかる」という表現が、まず鳥獣が仕掛けに捕らえられる具体的な意味をもっていたことを示しています。

「罠に掛ける」は、鳥獣を捕るために罠を仕掛ける意味から、人を計略で陥れる意味へ広がりました。『虎寛本狂言・釣狐』(室町時代末期から近世初期)には、鳥獣を罠にかける意味の用例があり、のちに浄瑠璃『百合稚高麗軍記』(1742年・江戸時代中期)では、人をだます意味で使われています。

同じように、「罠に掛かる」も、動物や鳥が仕掛けに引っかかる意味から、他人の計略にはまってだまされる意味へ移りました。『椿説弓張月』(1807〜1811年・江戸時代後期、曲亭馬琴著)には、「わが弶に入るべし」という形で、人が計略に入る意味の用例が出てきます。

このことわざでは、普通なら獲物を捕る側である狩人が、自分の扱うはずの罠にかかります。立場が逆転するところに、この言葉の皮肉があります。

ただし、「狩人罠にかかる」は、単に失敗することだけをいう言葉ではありません。人を陥れようとした企みが、めぐりめぐって自分を苦しめる、という点に意味の芯があります。

そのため、うっかりした失敗や、努力しても失敗した場面にはあまり合いません。悪意のある計画、ずるい策略、相手を困らせるための仕掛けが、逆に自分へ返ってくる場面にふさわしい言葉です。

類義語の「策士策に溺れる」は、はかりごとを用いすぎてかえって失敗することを表します。また、「自縄自縛」は、自分の言葉や行いのために自由に動けなくなることを表し、どちらも自分のしたことが自分を苦しめる点で近い意味をもちます。

「狩人罠にかかる」は、罠という具体的な道具から出発し、計略や悪だくみを表す比喩へとつながった表現です。人を困らせるための知恵は、結局は自分を困らせることにもなる、という戒めを伝えています。

「狩人罠にかかる」の使い方

健太
太郎くん、班長を困らせようとして、わざと集合時間を遅く伝えたんだって。
ともこ
でも先生に聞かれて、自分がうそを言ったって分かっちゃったんでしょう?
健太
うん。結局、自分だけ先生に注意されていたよ。狩人罠にかかるって、こういうことかな……。
ともこ
人を困らせる計画なんて、しないほうがいいね!
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「狩人罠にかかる」の例文

例文
  • 友人を失敗させようとした作戦が自分の失敗につながり、まさに狩人罠にかかる結果となった。
  • 相手をだますために作ったうその説明で自分の話が合わなくなり、狩人罠にかかる羽目になった。
  • ライバルを落とそうとした悪だくみが明るみに出て、狩人罠にかかるように信用を失った。
  • 部下の責任に見せかけようとした上司は、記録によって自分の指示が分かり、狩人罠にかかることになった。
  • 相手を困らせるための細工が自分に返ってきたのだから、狩人罠にかかるとはこのことだ。
  • 人を陥れるような計画は、狩人罠にかかることになりかねない。

主な参考文献

・松村明監修、小学館大辞泉編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・公益財団法人日本漢字能力検定協会編『漢検 漢字辞典 第二版』日本漢字能力検定協会、2014年。
・太安万侶編『古事記』712年。
・舎人親王ほか編『日本書紀』720年。
・曲亭馬琴『椿説弓張月』1807〜1811年。
・William Shakespeare, 『Hamlet』1600〜1601年ごろ。





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