「勝って兜の緒を締めよ」の意味(語源由来・類義語)
【ことわざ】
勝って兜の緒を締めよ
【読み方】
かってかぶとのおをしめよ
【意味】
物事において成功や決着がついたからといって気を緩めてしまいそうになるが、緩めるのではなくさらに気を引き締めないといけないと言う意味。
つまり、勝っても自慢せず、気を緩めずにさらなる努力を怠らへんように、って言う教訓なんやな。勝負事は一瞬で結果が変わるから、気を緩めてたらいつの間にか逆転されてもおかしくないもんな。
戦場において、勝利を確信したからと己の兜をとりさった瞬間に敵が奇襲をかけてくる場合もあるため、決して勝ったからと油断しては命取りになるという意味から転じている。
【類義語】
・敵に勝ちて愈々戒む
・油断は怪我のもと
「勝って兜の緒を締めよ」の解説
「勝って兜の緒を締めよ」っていう言葉は、戦国時代の武将、北条氏綱が、自分の息子に向けて書いた手紙の中に出てくる言葉なんだ。
北条氏綱は、自分の息子、氏康に向けて「五箇条の御書置」っていう手紙を書いたんだよ。その中に、5つの大切な教えが書いてあって、その一つが「勝って兜の緒を締めよ」なんだ。
これは何を意味してるかというと、戦で勝ったあとでも、気を抜かずに、いつでも準備をして、気を引き締めておくべきだよ、っていう意味なんだ。
たとえば、戦争で勝った後って、すごく嬉しくなるよね。でも、その時に気を抜いてしまうと、次に敵が来たときに困ってしまうかもしれない。だから、勝っても気を抜かずに、いつでも次のことに備えるようにしなさい、っていうことを教えてくれているんだよ。
この言葉は、戦争だけじゃなくて、日常生活でも使えるんだ。たとえば、テストで100点取ったときでも、次のテストもあるから、気を抜かずに勉強を続けるように、っていう意味にもなるよ。
「勝って兜の緒を締めよ」の使い方
「勝って兜の緒を締めよ」の例文
- とうとう日本トップのシェアを誇る企業にまで成長したが、勝って兜の緒を締めよというように気は緩めない。
- 今日の空手の試合は快勝だった。これで次の試合も自信を持って戦える。でも勝って兜の緒を締めよだ。今日もこれから帰って練習しよう。
- 将棋界に彗星の如く現れ、連勝に連勝を重ねられるのもひとえに勝って兜の緒を締め直しているためだろう。
- テストで万年主席を取っているが、最近油断しがちなため改めて勝って兜の緒を締め直さなければならない。
- 勝って兜の緒を締めよいうが、これまで勝負事で勝ったためしがない僕には結ぶ兜が存在しない。
「勝って兜の緒を締めよ」を英語で言うと?
「勝って兜の緒を締めよ」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
Don’t halloo till you are out of the woods.
- 直訳:森から出るまでは歓喜の叫びをあげるな。
- 意味:完全に問題が解決するまでは喜ぶな。
- 用語:halloo : 叫びをあげる
Tighten your helmet strings in the hour of victory.
- 直訳:勝利の時間にヘルメットの紐を締めよ。
- 意味:敵に勝っても油断しないで、心を引き締めよ。
- 用語:tighten:締める