【ことわざ】
肉を切らせて骨を断つ
【読み方】
にくをきらせてほねをたつ
【意味】
自分も傷つくことを覚悟して、それ以上の重傷を相手に負わせて勝つということ。
強敵に立ち向かう時の心構え。
【語源・由来】
剣道で強敵を倒すための極意として使われる言葉。
【類義語】
・皮を切らせて肉を切り、肉を切らせて骨を切る
・身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
【英語訳】
Give an inch to get a mile.
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「肉を切らせて骨を断つ」の使い方
健太くんは、空手の試合で肉を切らせて骨を断つという作戦を使わないわね。
そうだね。もともと剣道の言葉のようだね。まあ、それは関係ないんだけど、僕は負けたとしても正面から全力で戦うことが好きだからだよ。
へえ。健太くんは、空手のことになると格好いいわね。
そうかな?普段も格好いいよ。
「肉を切らせて骨を断つ」の例文
- 時代劇で、お侍さんが肉を切らせて骨を断つという言葉通りの、相手にあえて皮膚を切らせ血が出たところで油断をさせて、自分は骨まで達するようなとどめをさす場面を見た。
- 肉を切らせて骨を断つというように、相手チームに今は点を取らせて油断させておいて後半は猛攻撃開始でもう点は取らせない。
- ボクシングの試合で、相手にわざとすきを与えて、それを利用して相手をカウンターで倒した。肉を切らせて骨を断つ作戦だ。
- 肉を切らせて骨を断つというが、今日の相手は強いから、肉でもなんでもくれてやれ、ただ勝利だけは奪われるな。
- 肉を切らせて骨を断つというように、肉は切られても相手にもっと深手を負わせるつもりで行ってこい。
- 肉を切らせて骨を断つというが、経営が危ないと見せてライバル会社を油断させたところで新商品を出し、完膚なきまでに叩き潰した。
一口メモ
「肉を切らせて骨を断つ」は肉屋さんの言葉ではなく、水滸伝の戦略の一つである。
のちに、真剣の立ち合いの心得として「皮を斬らせて肉を斬る、肉を斬らせて骨を断つ」という教えとなる。中でも初太刀一本に全身全霊を込める薩摩示現流は「肉を切らせて骨を断つ」剣であると恐れられた。