「先んずれば人を制す」の意味(出典・故事・類義語・対義語・英語訳)
【ことわざ】
先んずれば人を制す
「征」とは、道を足で歩いていくことを表す字。
「行く」「旅に出る」「戦争へ行く」などの意味なので、誤りに注意。
【読み方】
さきんずればひとをせいす
【意味】
・人よりも先に物事を実行することによって、相手を抑え、有利な立場に立つことができる。
・先手を取ることができれば、相手を圧倒し、抑えつけることができる。
・何事も、先手を取ることで成功の糸口をつかめるが、後手に回っては勝ち目がない。
それが「先んずれば人を制す」の意味なんだ。だから、何事も早めに行動を始めることが大切だよ。
【出典】
史記
【故事】
史記に由来する言葉。江西のひとびとが、秦に対して反乱を起こした時に、殷通(いんとう)という長官が項羽に対して、「先んずれば即(すなわ)ち、人を制し、後(おく)るれば、則(すなわち)人の制するところとなる。」と、言ったことが由来。人よりも先に行動を起こすことで、人の先頭に立ち指示を出すことができるが、人の後から行動を起こしてしまえば、人に指示をされて支配されてしまう。という言葉からできた故事成語。
【類義語】
・思い立ったが吉日
・善は急げ
・先手必勝
・早い者勝ち
・機先を制する
・先手は万手
【対義語】
・急がば回れ
・急いては事を仕損じる
【英語訳】
Take the lead, and you will win.(先んずれば勝つ)
First come, first served.(早い者勝ちです)
The foremost dog catches the hare.(先頭の犬が兎を捕らえる)
「先んずれば人を制す」の解説
昔々、秦(しん)という国で反乱が起きたときの話だよ。その時、殷通(いんとう)という人が自分の仲間たちにこんなことを言ったんだ。
「先に行動を始めれば、自分が指導者になれるよ。でも、遅れて行動を始めると、他の人に従わなければならなくなるよ。」
つまり、何をするにも早く始める人が、自分で考えたことをやることができるんだ。でも、遅く始めると、他の人が既に考えたことをやらなければならなくなる。それが「先んずれば人を制す」の意味だよ。
例えば、クラスでのプレゼンテーションを考えるとき、一番最初にアイデアを出す人がプレゼンテーションの進行をコントロールできるよね。でも、最後にアイデアを出す人は、他の人が決めたプレゼンテーションに合わせなくてはならない。だから、何事も早めに行動を起こすことが大切なんだよ。
「先んずれば人を制す」の使い方
今度こそ、勝てるといいね!
「先んずれば人を制す」の例文
- 新しいアイディアが浮かんだから、先んずれば人を制すで、商品開発を進めよう。
- ライバルに負けないように、先んずれば人を制すで、あの子をデートに誘おう。
- 次のテストは1番を取りたいから、先んずれば人を制すで、さっそくテスト勉強に取りかかろう。
- 今度の選挙で生徒会長になるためには、先んずれば人を制すで取り組もう。
- 先んずれば人を制すで取り組んだから、プレゼンに勝つことができた。
「先んずれば人を制す」の文学作品などの用例
礼之進の方でも、酒井へ出入りの車夫まで捜を入れた程だから、その分は随分手が廻って、従って、先生が主税に対する信用の点も、情愛のほども、子の如く、弟の如きものであることさえ分ったので、先んずれば人を制すで、ぴたりとその口を圧えたのであろう。(泉鏡花の婦系図より)
つまり、何かをするときには早めに行動を起こすと、その後の流れを自分の方に引き寄せることができるんだ。