【ことわざ】
触らぬ神に祟りなし
「さわらぬ」を、「障らぬ」と書くのは誤り。
「触らぬ」=よけいな手出しをしない。「祟り」=神さまのいかりにふれて受けるばつ。
【読み方】
さわらぬかみにたたりなし
【意味】
よけいな物事に関係しなければ、わざわざ禍を招くこともないということ。
「祟り」というのは、神様に対して悪いことをしてしまったときに受ける災いのこと。
【語源・由来】
神と関係さえしなければ、祟りをこうむるはずもないという意から、よけいなことに手出しすることを戒めることば。
【類義語】
・君子危うきに近寄らず
・近づく神に罰当たる
・参らぬ仏に罰は当たらぬ
・七日通る漆も手に取らねばかぶれぬ
【対義語】
・寝た子を起こす
・藪をつついて蛇を出す
・義を見てせざるは勇無きなり
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「触らぬ神に祟りなし」の使い方
さっき、隣のおじいさんがものすごく怒っていたよ。
どうしたのかしら?
植木鉢を割られて、機嫌が悪いみたいなんだ。
触らぬ神に祟りなしね。
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「触らぬ神に祟りなし」の例文
- 今、母はとても怒っているようだ。触らぬ神に祟りなしというから、近寄らないようにしておこう。
- 触らぬ神に祟りなしということわざがあるように、余計な手出しをしなければ、めんどうなことにまきこまれることはない。
- 父の機嫌が悪いみたいだ。触らぬ神に祟りなしだから、話しかけるのはやめておこう。
- 試合に負けた後のキャプテンは、触らぬ神に祟りなしだ。
- さっき電話をしていた部長が、ものすごく怒っていたから触らぬ神に祟りなしというように、自分の仕事を進めておこう。
- 触らぬ神に祟りなしといったのに、余計なことをするから巻き込まれてしまうんだよ。
- 姉と妹がケンカをしていたけれど、触らぬ神に祟りなしというから、僕は静かに本を読んでいよう。
「触らぬ神に祟りなし」の文学作品などの用例
自分のように人間をおそれ、避け、ごまかしているのは、れいの俗諺の「さわらぬ神にたたりなし」とかいう怜悧狡猾の処生訓を遵奉しているのと、同じ形だ、という事になるのでしょうか。(太宰治の人間失格より)
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「触らぬ神に祟りなし」を英語で言うと?
「触らぬ神に祟りなし」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
Let sleeping dogs lie.
- 直訳:寝ている犬は寝かせておけ。
- 意味:面倒になりそうなことはそっとしておいた方が良い。
If it ain’t broke, don’t fix it.
- 直訳:壊れていないものを直すな。
- 意味:満足できる状態にあるものには手を加えるべきではない。
Far from Jupiter, far from his thunder.
- 直訳:ジュピターから遠ければ、雷からも遠い。
- 意味:その物事に関わりさえ持たなければ災いを招くことはない。
ここでのJupiterは、木星ではなく、ローマ神話に出てくる神ジュピターを指している。
Don’t ask for trouble.
- 直訳:厄介を求めるな。
- 意味:自分からトラブルを招くような行動をしてはいけない。