【ことわざ】
急いては事を仕損じる
「急いては」=急いでは。「仕損じる」=やりそこなう。
「急いては事を仕損ずる」「急いては事を過つ」ともいう。
【読み方】
せいてはことをしそんじる
【意味】
何事もあわててやると失敗することが多いので、落ち着いて行動しようということ。
焦っているときほど、じっくり落ち着いて物事に取り組むべきという教え。
【類義語】
・急がば回れ
・急ぐことはゆるりとせよ
・走れば躓く
【対義語】
・思い立ったが吉日
・先んずれば人を制す
・先手必勝
・善は急げ
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「急いては事を仕損じる」の使い方
ど、どうしよう!大切な試合の日なのに、寝坊しちゃった!
健太くん、まずは落ち着いて。
間に合わなかったら、試合に出られなくなっちゃうよ!
急いては事を仕損じるよ。まずは、支度をしましょう。
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「急いては事を仕損じる」の例文
- 初めての山登りは早く頂上にたどり着きたくなるけれど、急いては事を仕損じるというから、ここでしっかり一休みをしてから出発しよう。
- 急いては事を仕損じるから、明日の会議の準備は慎重に進めよう。
- 朝、友だちがむかえに来たのであわてて家を出たら、宿題ノートを忘れてしまった。急いては事を仕損じるだ。
- 予想を上回る人が集まって、記念品の準備が間に合っていないけれど、急いては事を仕損じるというから落ち着いて準備を進めよう。
- 急いては事を仕損じるというように、何かをあわててやろうとするとかえって失敗するので、ゆっくり落ちついて取り組むのが大事だよ。
- 恋人ができたから、さっそく結婚指輪を買って、結婚式場を予約しようと思っていたのに、急いては事を仕損じるなのだから、まずはプロポーズが先だと友人に言われた。
- 待ちに待った世界最高峰への登頂は、急いては事を仕損じることのないように、天気が回復するまで待とう。
「急いては事を仕損じる」の文学作品などの用例
「まて、まて、せくでない、せくでない、せいては事をしそんじる。とかく、こういうときは、あれだ、あれだ、右門のだんなをまねるわけじゃねえが、あごをなでると奇妙に知恵がわくものなんだ。大船に乗った気でいろ。いまにぱんぱんと眼をつけてやるからな――」(佐々木味津三の右門捕物帖より)
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「急いては事を仕損じる」を英語で言うと?
「急いては事を仕損じる」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
Haste makes waste.
- 直訳:速攻は無駄を生む。
- 意味:焦ると逆に時間が掛かってしまう。
このことわざは紀元前に遡るが、16世紀頃に現在の形で使われ始め、1678年にジョン・レイのことわざ集に収録された。現代では「Haste makes waste.」として使われ、急ぐことが無駄を生み、揉め事の原因になるというニュアンスがある。リズム感のある韻を踏んだことわざでもある。
More haste less speed.
- 直訳:より急ぐなら、よりスピードを落とせ。
- 意味:急ぐことで、かえって時間が長くかかる。
このことわざは、「More 〜, less 〜」の構文を使っており、「急ぐよりゆっくりする方が結局早い」という意味を表現する。「Too much haste and not enough speed.」とも言われ、イソップ物語の「ウサギとカメ」に基づく「Slow and steady wins the race.」という表現も近い意味を持つ。世界的に「急がず着実に進むことが成功につながる」という考え方が共通している。他の表現として、「If you rush it, you’re likely to make a mistake.(急ぐとミスをしやすい)」、「Let’s take our time and work diligently.(急がずにコツコツと進めよう)」、「Let’s not make any rash decisions.(早まった決断はしないようにしよう)」がある。