【ことわざ】
その手は桑名の焼き蛤
【読み方】
そのてはくわなのやきはまぐり
【意味】
うまいことをいっても、そんな計略には引っかからないというたとえ。
【語源・由来】
「食わない」という言葉に、「桑名(現在の三重県桑名市)を掛けて、さらに桑名の名物である焼き蛤をかけて言った言葉。
「東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)」では、弥次郎兵衛・喜多八も桑名で焼き蛤を肴に酒を酌み交わしたという。
【英語訳】
An old fox is not easily snared.
It is not deceived even if it says a nice thing. Because the baked clam of Kuwana is delicious.
「焼き蛤」とは、殻付きのはまぐりを枯れた松葉や松笠(まつかさ)を燃やしながら焼いたもの。
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「その手は桑名の焼き蛤」の使い方
健太くんって、最近とてもかっこよくなったと思うわ。
ともこちゃん、褒めてくれているようだけど、急にどうしたの?
いつも優しくて、素敵よね。
そう褒めておいて、本当はプレゼントが欲しいようだけど、その手は桑名の焼き蛤だよ!
「その手は桑名の焼き蛤」の例文
- 妹が急にぼくのことを優しいお兄ちゃんと呼ぶなんて、小遣いが欲しいに決まっている。しかしその手は桑名の焼き蛤だよ。
- 母がお小遣いをくれると言うけれど、なにか頼み事があるに違いない。その手は桑名の焼き蛤だ。
- 父は新しいゴルフクラブを、母に見つからないように隠しているところを見てしまった。お小遣いで私に秘密を守らせようとするなんて、その手は桑名の焼き蛤よ。
「その手は桑名の焼き蛤」の文学作品などの用例
もうろくはしても、小娘の手玉にとられる他巳吉様と他巳吉様が違っているぞ。おかど違ひというものでげしょう。他巳吉は見事な見得を切るのであった。その手は大きに桑名の焼蛤というものだ。そこで再び大きな舌をべろりとだして憎たらしげに鼻をひくひくさせるのだった。(坂口安吾の吹雪物語より)
まとめ
あの手この手でうまいことを言って、騙してしまおうと考えていることがあるかもしれません。
しかし、その手は桑名の焼き蛤というように、簡単には騙されないように気を付けたいものですね。