「曽参人を殺す」の意味(出典・故事・類義語)
【ことわざ】
曽参人を殺す
【読み方】
そうしんひとをころす
【意味】
うそでも何度も言われると真実だと思ってしまうということ。
有名な孔子の弟子の曽参が人を殺したと何回も言われたら、つい信じてしまうってことをいう言葉やで。
「戦国策」
【故事】
中国春秋時代、曽参と同姓同名の者が殺人を犯したとき、ある人が「曽参が人を殺した」と曽参の母に告げたが信じなかった。二度目も信じなかったが、三度目にさすがの母も織りかけの機をすてて垣根を越えてかけつけたという。
【類義語】
・三人之を疑わしむれば、則ち慈母も信ずる能わず
・三人虎を成す
・市に虎あり
「曽参人を殺す」の解説
「曽参人を殺す」ということわざは、嘘でも繰り返し言われると、最終的には真実として信じられるようになるという意味を持っているんだよ。この表現は、繰り返される嘘や誤った情報が、時間が経つにつれて人々に信じられるようになる現象を示しているんだね。
このことわざの背景には、中国の古典「荘子」に由来する話があるよ。その話によると、曽参という賢者が誤って人殺しの嫌疑をかけられるという事例があったんだ。この話は、誤った情報が広まると、たとえそれが完全な嘘であっても、人々はそれを真実だと信じてしまうという教訓を含んでいるんだよ。
このことわざは、情報やニュースを鵜呑みにせず、批判的に考えることの重要性を教えてくれるんだね。また、繰り返し言われる情報には特に注意が必要であり、自分で情報の真偽を確かめることが大切だというメッセージを伝えているんだ。この言葉は、誤った情報の広がりや、そのような情報によって誤解が生じる危険性を示しているんだよ。
「曽参人を殺す」の使い方
「曽参人を殺す」の例文
- ネット上にはデマがあふれているが、曽参人を殺すというからその影響が怖い。
- 曽参人を殺すというから噂の力は侮れない。
- 繰り返しデマを流せば、曽参人を殺すごとく人々は信じるだろう。
- 最初は「まさかあの人が」と信じないが、度々ネガキャンをすることで曽参人を殺すように「悪い人なのかも」と思い始める。
- 曽参人を殺すように、人は噂には弱いものだ。