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【蓼食う虫も好き好き】の意味と使い方や例文(語源由来・類義語)

蓼食う虫も好き好き

「蓼食う虫も好き好き」の意味(語源由来・類義語)

意味

【ことわざ】
蓼食う虫も好き好き

「蓼」を「田で」「他で」と表すのは誤りなので、注意が必要です。

【読み方】
たでくうむしもすきずき

「蓼」を「だて」と読みがちですが誤りなので、注意が必要です。

【意味】
人の好みはさまざまであること。

ことわざ博士
「蓼食う虫も好き好き」ということわざは、人それぞれが異なる好みを持つことを表しているんだよ。

同じものでも、ある人には好ましいものが、他の人にはそうではないかもしれない、という意味だ。

助手ねこ
ほんなら、「人それぞれ好きなものは違う」ということを教えてくれるわけやな。

みんな同じものが好きなわけやないから、自分が好きなものが他の人には苦手でも、それはそれでOKってことや。誰かと違うことは悪いことちゃうんやな。

【語源由来】
とても辛いたでという植物の葉を好んで食べる虫もいるように、好みもそれぞれだということから。

「蓼」は、食用になる草で、食べると辛い。ヤナギタデ、イヌタデ、サクラタデ、オオタデなど。タデ科タデ属の植物の総称。

【類義語】
・蓼の虫葵に移らず
・蓼の虫苦きを知らず
・人の好き好き笑う者馬鹿
・面面の楊貴妃
・割れ鍋に綴じ蓋
・十人十色

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「蓼食う虫も好き好き」の解説

カンタン!解説
解説

「蓼食う虫も好き好き」の言葉は、「人それぞれ、好みは違う」という意味を教えてくれるんだ。

「蓼」っていうのは、「ヤナギタデ」という草のことで、その茎や葉には苦味があるんだ。でも、そんな苦いヤナギタデを好んで食べる虫もいるんだよ。それが「蓼虫」で、ホタルハムシなどの甲虫を指すんだ。

このことわざは、中国南宋時代の随筆集『鶴林玉露』に由来していて、「氷蚕は寒さを知らず、火鼠は熱さを知らず、蓼虫は苦さを知らず、ウジ虫は臭さを知らず」と書かれていたんだよ。

つまり、「蓼食う虫も好き好き」ということわざは、人それぞれが自分の好きなものや、興味があることが違うってことを教えてくれるんだ。それぞれの人が自分の道を見つけて、自分らしく生きていくことの大切さを伝えてくれる言葉なんだよ。

「蓼食う虫も好き好き」の使い方

健太
ねえ、見てよ、このジャケット!格好いいでしょう?
ともこ
そうかなぁ。肘の所は破れてるし、色もイマイチじゃない?
健太
そんなことないよ!このダメージ感と派手な色が気に入ってるんだ!
ともこ
まさに、蓼食う虫も好き好きね。

「蓼食う虫も好き好き」の例文

例文
  1. 容姿端麗・頭脳明才で有名な彼女が、あんな男と結婚するなんて、蓼食う虫も好き好きだ。
  2. ともこちゃんは、いつも授業中寝ている健太くんが好きらしい。蓼食う虫も好き好きだ。
  3. 蓼食う虫も好き好きというから、君に彼女の趣味をつべこべ言う権利は無いよ。
  4. 蓼食う虫も好き好きというが、いくらなんでもこの物件に住む奴はいないだろう。
  5. このように豊富な色を用意しているのは、蓼食う虫も好き好きだからである。
  6. 蓼食う虫も好き好きというが、人の好みは、みんなそれぞれちがうもんだね。
  7. 僕はあまり好みではないが、まあ、蓼食う虫も好き好きだからね。
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「蓼食う虫も好き好き」を英語で言うと?

英語のことわざ

「蓼食う虫も好き好き」の英語表現をご紹介します。

※英語の声:音読さん

Different strokes for different folks.

  • 直訳:異なる人々には異なる慰め方がある。

As many heads, as many wits.

  • 直訳:頭の数だけ知力がある。

There’s no accounting for taste.

  • 直訳:好みは説明がつかない。

So many men, so many minds.

  • 直訳:たくさんの人がいれば、たくさんの心がある。

Beauty is in the eye of the beholder.

  • 直訳:美しさは、見る人の目の中にある。

To each his own.

  • 直訳:それぞれにはそれぞれのものを。
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「蓼食う虫も好き好き」を深掘り

深掘り

「蓼食う虫も好き好き」ということわざは、「人の好みは千差万別で、何が良いか悪いかは一概には言えない」という意味を持っています。

この諺は、蓼(たで)という植物を好んで食べる虫に由来しているとされています。蓼には辛み成分が含まれており、一般的には食べるには快適な味ではありませんが、それを好む虫もいるという事実から、この比喩が生まれました。

蓼にはタデオナールという辛味成分が含まれており、イヌタデとは異なりこの成分がないために「イヌ」と付けて、無用のものと名付けられたとされています。

しかし、虫の中にはこの辛い成分を含む蓼を食べるものがおり、例としてイチゴハムシやシロシタヨトウの幼虫などが挙げられます。

このことわざは、谷崎潤一郎の作品『蓼喰う虫』や、狂言「縄綯」、俳諧書「毛吹草けふきぐさ」にも見られるように、日本の古い文学や文化の中でよく引用されています。

狂言「縄綯(なわない)」には、「蓼食ふ虫も好き好きと申せども」とあるから、室町のころから言いならされたことわざだといえます。俳諧書 「毛吹草」の世話の項には、「たでくふむし」とあります。

また、中国の古代詩集「楚辞」にも似たような表現が見られ、「蓼虫りょうちゅう葵葉きようわたルヲ知ラズ」という言葉があり、これは辛いヤナギタデを食べる虫が、甘いフユアオイに移ることを知らない、つまり辛さになれた者は甘いものを求めないことを示しています。

昆虫の食性には、様々なタイプがあります。広食性の昆虫から、狭食性や単食性の昆虫までいて、これらの好みは植物に含まれる特定の化学物質に対する反応によると考えられています。

例えば、モンシロチョウの幼虫はアブラナ科植物に含まれるカラシ油配糖体に刺激されて食欲をそそられます。一方で、カイコはクワの葉しか食べない単食性を持っており、その理由はまだ完全には理解されていません。

人間の好みと同じように、虫たちの食べ物の好みも複雑で、科学的に完全に説明できない面があります。ニコチンを含むタバコの葉を食べるキタバコガやタバコスズメガの幼虫の例も、人間には有害な物質でも昆虫にとっては問題ないことを示しています。

結局のところ、「蓼食う虫も好き好き」ということわざは、人間の価値観だけで物事を判断するのは適さないという普遍的な教訓を含んでおり、個々の好みや選択を尊重するべきという考え方を示しています。

参考文献
植物ことわざ事典 | 足田 輝一


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