「旅の恥は掻き捨て」の意味(類義語・対義語・英語訳)
【ことわざ】
旅の恥は掻き捨て
【読み方】
たびのはじはかきすて
【意味】
旅では知っている人がいないから、どんなことをしても恥辱にならない。
ただ、それが悪いことに繋がるなら、それはやっぱりダメやろうな。
【類義語】
・後は野となれ山となれ
・先は野となれ山となれ
・末は野となれ山となれ
・旅の恥は弁慶状
【対義語】
・鷺は立ちての跡を濁さず
・立つ鳥跡を濁さず
・飛ぶ鳥跡を濁さず
・鳥は立てども跡を濁さず
【英語訳】
・It is foolish bird that defiles its own nest.
・Once over the border、one may do anything
「旅の恥は掻き捨て」の解説
「旅の恥は掻き捨て」っていうことわざは、旅先では自分が普段行わないような行動をとったり、恥ずかしいことも気にせずにやってしまうものだという意味なんだよ。
これは、旅先では自分を知る人がいない、または、その場限りの出会いであるという心情から来るもので、普段なら恥ずかしくてできないようなことも、旅先では気にせずにやってしまうという心理を表しているんだね。
この言葉が初めて使われたのは、江戸時代の滑稽本「箱根草」なんだ。滑稽本とは、当時の町人たちの日常生活や言葉遣い、思考を描いたもので、その中に登場人物の会話などが生き生きと描かれていて、時代背景を感じることができるんだよ。
「箱根草」は弘化年間(1844~1847年)に書かれたもので、当時の箱根の旅行記を書いたものなんだ。この本には、旅先での開放的な気分や行動が描かれていて、ここから「旅の恥はかき捨て」の言葉が生まれたとされているよ。今でいう旅行ブログのようなもので、時代を超えて人々の旅行の心情が共感できるものだね。
「旅の恥は掻き捨て」の使い方
「旅の恥は掻き捨て」の例文
- 旅の恥は掻き捨て、と思い切って普段は着ないような派手な服を選んだ。
- 引っ込み思案な僕でも、旅の恥は掻き捨てと思い切って現地の人に話しかけてみた。
「旅の恥は掻き捨てだから、一人でくよくよと迷って何もせず、旅を満喫しないよりも、思い切った行動をする方がよい」と受け取られる場合と、「旅の恥は掻き捨てだから、旅先で開放的になりすぎてマナー違反な行為をしても仕方ない。旅を満喫する為には多少のマナー違反をしてもよい。」と受け取られる場合があります。特に近年は日本人の旅先でのマナーが問題視されており、後者のネガティブな意味をイメージする人が多いようです。