「大行は細謹を顧みず」の意味(出典・故事)
【ことわざ】
大行は細謹を顧みず
【読み方】
たいこうはさいきんをかえりみず
【意味】
大事業を成就しようとする者は、小さなことやささいな失敗にはこだわらない。
例えば、細かいことにこだわっていると、大事なことに時間が取られてしまうやんか。だから、大きな目標に向かうときは、細かいことにはあんまりこだわらん方がええんやな。
【出典】
「史記」
【故事】
中国漢の沛公が楚の項羽と鴻門で会った時、宴会の途中で自分の命が狙われているのを知った。トイレに立った沛公に、側近の樊噲が逃げるように勧めたが、別れの挨拶をしていないとためらう沛公に樊噲がいった。「大事を行う場合に小さな礼など問題にしない。いま、相手は刀とまな板で、こちらは魚である。どうして別れの挨拶などする必要があろうか」と。沛公は馬を駆って逃げ、九死に一生を得たという。
「大行は細謹を顧みず」の解説
「大行は細謹を顧みず」という表現は、「史記―項羽紀」に登場する話から来ていて、大事を成し遂げるためには、細かい礼儀や小さな注意点を犠牲にすることがあるという意味のたとえ話なんだ。この言葉は、特に重要な目的や目標を達成するためには、通常の礼儀や細かい心配事を顧みる余裕がないことがあるという状況を示しているんだよ。
この表現は、劉邦が秦王朝に対する討伐軍の一員として活動していた時の逸話に由来しているんだ。彼が項羽に対して謝罪に訪れ、その後脱出する際の状況で、部下の樊噲が劉邦に対して「大行は細謹を顧みず」と助言したことから来ているんだ。つまり、重要なのは今すぐの安全であり、通常の礼儀を省略することが許されるという状況だったんだ。
このことわざは、特に緊急や重要な事態においては、通常の規範や礼儀を一時的に破ることが許される、あるいは必要とされる場合があるという事実を示しているんだ。それは、大きな目標や緊急性が、細かい規則や慣習を超越することがあるという現実を表しているんだよ。このたとえは、目的を達成するためには柔軟性が必要であり、時には通常の範囲を超えた行動が必要になるという教訓を私たちに与えているんだね。
「大行は細謹を顧みず」の使い方
「大行は細謹を顧みず」の例文
- 大成功する者は、得てして大行は細謹を顧みずの姿勢をつらぬく。
- 些細なことを気にしていては成功するチャンスを逃しかねない。大行は細謹を顧みずというように気にしない。
- 円滑な人間関係の構築にマナーは大事だが、大行は細謹を顧みずというので、大事業の成就のためにはこだわりは捨てる。
- 大行は細謹を顧みずというが、何かを成し遂げるためには細かいことを気にする暇はない。
- 大きな目標がある人は、大行は細謹を顧みずというように些細なことにこだわらないので凡人とは視点が少々異なる。