「虎を野に放つ」の意味(類義語・英語訳)
【ことわざ】
虎を野に放つ
【読み方】
とらをのにはなつ
【意味】
・猛威(もうい)ある人を自由気ままに、の威(い)をふるうことができるような状態におくことのたとえ。
・わざわいのもととなる者を除かないで、後に大きな害をのこすことのたとえ。
力ある者に自由を与えることで良い結果が出ることもあれば、逆に危険なことになることもあるってことやね。力や自由をどう使うか、どう管理するかが大事やな。無責任に危険なものを放っておくのは、後で大変なことになるから注意が必要やね。
【類義語】
千里の野に虎を放つ(せんりののにとらをはなつ)
【英語訳】
to set a tiger set free という表現があります。 it is dangerous to set a tiger free. (虎を放つほど危険だ)が一例です。
「虎を野に放つ」の解説
「虎を野に放つ」という言葉は、二つの意味を持っているんだよ。
- 猛威を振るう者の力を発揮できるよう自由にさせることのたとえ。これは、強い力や才能を持つ人がその力を存分に発揮できるように自由にすることを意味しているんだ。たとえば、とても才能のある人に制限を設けずに活動させることを、「虎を野に放つ」に例えることがあるよ。
- のちに大きな災いをもたらすような危険なものを野放しにしておくことのたとえ。これは、制御が難しく危険な存在を自由にしておくことのリスクを警告する意味で使われるんだ。例えば、問題を起こす可能性のある人や事態を放置することを、「虎を野に放つ」と表現することがあるよ。
このように、「虎を野に放つ」という言葉は、状況によってポジティブな意味もネガティブな意味も持つことができるんだね。才能や力を持つ人を自由にすることの重要性と、同時に、その力がもたらすリスクや危険性についての警告として使われることがあるよ。
「虎を野に放つ」の使い方
「虎を野に放つ」の例文
- 長男が東京の大学へ行きたいという希望を持っているのですが、普段の行いを見ていると虎を野に放つようで心配でどうしようもありません。
- いくら社長が途中経過を知りたいからといって、その調整会議に社長を含めるのは虎を野に放つようなもので、まとまる話もまとまらなくなります。
- 自由奔放(じゆうほんぽう)ということは、彼にとってみれば当たり前のことなのでしょうか、虎を野に放つとはまさに彼のためにあることわざのようです。
- 自分達で押さえることができないからといって虎を野に放つのであれば、放った会社にも責任が生じることを覚悟することが必要でしょう。
まとめ
虎は十二支(じゅうにし)の中で架空の龍を除いて、動物園以外では日本には生息しない唯一(ゆいいつ)の動物です。万葉集(まんようしゅう)や日本書記(にほんしょき)には虎の記述がありますが、実物の虎が初めて日本に来たのは平安時代だそうです。
二つ目の意味は、後に大きな問題や災いを引き起こす可能性のある危険なものを野放しにすることを指しているんだ。