「失せたる針をば債らぬもの」の意味(出典)
【ことわざ】
失せたる針をば債らぬもの
【読み方】
うせたるはりをばはたらぬもの
【意味】
人に貸した物を失くされ、無理に返させるのは災いのもとになる。
「債る」は、催促する意。
「失せたる針をば債らぬものは」は、人に貸したものがなくなった時、それを無理に返還を求めることは、関係をこじらせる原因になりかねないという教えが含まれているんだ。
なるほどな。つまり、「貸したものがなくなったら、無理に返してもらおうとせん方がええ」ってことやな。
そんなことしてたら、せっかくの友情や人間関係が悪くなっちゃうかもしれへんもんな。大切なのは物よりも人間関係やな。お金や物で人間関係をこじらせるんは、あかんってことを教えてくれてるんやな。
【出典】
「日本書紀」にある「海幸山幸」より。兄の火酢芹命が貸した釣り針をなくした弟の彦火火出見尊を責め、これを取り返そうとして災難を被った。
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「失せたる針をば債らぬもの」の解説
カンタン!解説
「失せたる針をば債らぬものは」っていうことわざはね、友達に貸した物を無くされたとき、無理にその物を返してもらおうとするのはトラブルの元になるよっていう教えだよ。
例えばね、友達におもちゃを貸したけど、その友達がそれを無くしてしまったとするね。そんな時に、無理に「返して!」とせっつくと、その友達と喧嘩になったり、友情にひびが入ったりすることもあるよね。それがこのことわざが教えてくれることなんだ。
つまり、「失せたる針をば債らぬものは」は、大事な関係を守るためには、物事に固執しない方がいい、っていう大切な教えを伝えているんだよ。
「失せたる針をば債らぬもの」の使い方
貸した本を失くされてしまった。
それは悲しいわね。新しい本を買って弁償してもらうの?
失せたる針をば債らぬものというから泣き寝入りするよ。
それも納得がいかないわね。
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「失せたる針をば債らぬもの」の例文
- 失せたる針をば債らぬものというが、図書館の本はみんなの財産なので絶対に返却していただく。
- 貸した物を失くしたと言われたが、返せと言うと失せたる針をば債らぬものだから、元々無かったものと思う。
- 借りたものをなくす方が悪いのに、失せたる針をば債らぬものとは貸す方が悪いということか。
- 失せたる針をば債らぬものという。貸すときには失くされたり汚損されることを覚悟しなければならない。
- 貸した物が返ってこなくて返すように強く出たら、失せたる針をば債らぬものというように裁判沙汰になった。