「象牙の塔」の意味
【ことわざ】
象牙の塔
【読み方】
ぞうげのとう
【意味】
学者や研究者が、周りの社会とかかわりなしに、研究に夢中になっていること。また、そのような学者や研究者の世界。
それが、大学の研究室や学者の生活などにも当てはまるってことやな。現実とは隔絶された、独自の世界を持つことを示してるわけや。
【語源・由来】
十九世紀フランスの批評家、サント・ブーブが詩人ビニーの態度を批評したことばから。
「象牙の塔」の解説
「象牙の塔」という表現は、元々フランス語の「la tour d’ivoire」から来ていて、現実世界から隔絶された、静かで高尚な芸術や学問を楽しむ場所や境地を指す言葉なんだよ。この表現は、現実から離れて理想的かつ観念的な世界に没頭する芸術家や学者の態度を象徴しているんだね。
「象牙の塔」は、現実の世界や日常生活の問題から離れ、純粋な芸術や学問に専念する場所や状態を指すことが多いんだ。この表現は、フランスの批評家サント=ブーブが詩人ビニーの態度を評した際に使われたもので、それが広く知られるようになったんだよ。また、旧約聖書の雅歌にも同様の表現が見られるんだ。
日本では、大正九年(1920年)に出版された厨川白村の評論集「象牙の塔を出て」を通じて、この言葉が一般に広まったんだね。この表現は、現実から遠ざかり、理想的または観念的な世界に没頭する学者や芸術家の姿勢を批判的に描写するのに使われることがあるよ。また、現実から隔絶された環境での純粋な知的探求や芸術的創造を指すこともあるんだ。
「象牙の塔」の使い方
「象牙の塔」の例文
- 閉ざされた象牙の塔の中での研究三昧の気むずかしい学者を想像していた僕は、温顔の教授を見て意外さを感じた。
- ときには象牙の塔を出て、街の人と意見を交わす気楽さが欲しい。
- 教授は象牙の塔にこもりがちな他の教授と違って親しみやすく、学生の悩みもよく聞いてくれる。
- 先生は大学の中では優秀だけれども、象牙の塔を出ると苦労されるだろうね。
- 先生は、いつも寝癖がすごくて、いかにも研究一筋に生きてきた象牙の塔の住人、という感じだ。
- 有名な事件の話も、教授にとっては全くの初耳のようだったのだが、象牙の塔にこもると、俗世間の出来事には無頓着になってしまうのだろうか?