「蛇の道は蛇」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
蛇の道は蛇
【読み方】
じゃのみちはへび
【意味】
同類のことは、同類がよく知っている。
その道の人間がその社会のことに、よく通じているというたとえ。
まあ、蛇の道を蛇が知ってるように、プロの世界の細かいノウハウは、やっぱりその道のプロにしか分からんってことやろ? それで、「ああ、あの人はこの道の蛇やな」とか言うわけやね。おもしろい表現やわ。
【語源・由来】
「蛇(じゃ)」とは、へびよりも大きなおろちや大蛇のことをいう。
小さなへびでも、大蛇の通る道はよく知っていることが由来。
【類義語】
・芸は道によって賢し(げいはみちによってかしこし)
・商売は道によって賢し(しょうばいはみちによってかしこし)
・餅は餅屋(もちはもちや)
・馬は馬方(うまはうまかた)
・海のことは漁師に問え
・田作る道は農に問え(たつくるみちはのうにとえ)
・舟は船頭に任せよ(ふねはせんどうにまかせよ)
・仏の沙汰は僧が知る(ほとけのさたはそうがしる)
【英語訳】
Let a thief catch a thief.
Set a thier to catch a thier.
「蛇の道は蛇」の解説
「蛇の道は蛇」というのはね、蛇が自分の道を知っているように、同じ種類の人や、同じようなことをしてる人同士は、お互いのことがよくわかるっていう意味のことわざだよ。
たとえば、サッカーが得意な子がいたら、他のサッカーが得意な子と話していると、技術のことや試合のことで、すぐに意気投合することができるよね。それは、サッカーをよく知っているから、お互いの気持ちがよくわかるんだ。
それと同じで、医者同士、先生同士、または芸術家同士など、同じ分野で活動している人たちは、その分野の細かいことまでよく理解しているから、すぐに共通の話題で盛り上がれたり、お互いの意見がわかったりするんだよ。だから、「蛇の道は蛇」という言葉は、その道のプロ同士は、その道のことを一番よく知っているってことを表しているんだね。
「蛇の道は蛇」の使い方
見つけたわよ。ここにいたのね!
健太くんの友達に聞いたのよ。
「蛇の道は蛇」の例文
- 蛇の道は蛇だ。法律の抜け穴は法律家がいちばんよく知っている。
- 「息子が夜中まで帰ってこないけれど、どこにいるのかしら?」「蛇の道は蛇だから、うちの息子に聞いてみるわ!」
- 蛇の道は蛇だから、彼の行動については探偵に任せておこう。
- 彼らの手の内はすっかりお見通しだよ。なぜなら蛇の道は蛇といって、僕も元は仲間だったからね。
- 蛇の道は蛇で、彼らは脱税の手口を知り尽くしてしまっている。
「蛇の道は蛇」の文学作品などの用例
然し三成をかくまい、翌朝は護衛までつけて佐和山へ送つてやった家康の肚は、三成を生かしておけばやがて反乱のあげく三成党を一挙に亡しうるという、家康がその肚であるばかりでなく、三成がその肚を見抜きここへ逃げれば必ず助けられると見越して逃げこんだのだという。両々ゆずらず、神謀鬼策、蛇の道は蛇、火花をちらす両雄の腹芸というところだが、話が出来すぎているようだ。(坂口安吾の家康より)
まとめ
深く詳しい知識があることはとても素晴らしいことですが、せっかくの知識を良くないことに使うのはもったいないですね。
また、仲間は大切な存在ですが、良くない行いをすることで友情に亀裂が生じてしまうかもしれません。
知識は人々の役に立つような使い方をしたいですね。