「和を以て貴しとなす」の意味(語源由来・出典・英語訳)
【ことわざ】
和を以て貴しとなす
【読み方】
わをもってとうとしとなす
【意味】
人々が仲良く、和合して事を行うのが最も尊いという意味。
一緒に仕事したり遊んだりする時は、仲良く和気あいあいとやるのが一番やな。これは、友達同士でも、家族でも、会社でも、大事な教えやね。
【語源由来】
聖徳太子が制定した「十七条憲法」第一条のことば。
【出典】
「論語」に「礼之用以和為貴」とある。「礼すなわち倫理的な規範を実践することの尊さは、人々の調和を実現することにある」とあり、「なにごとにも調和は大切であるが、礼をもってそれに節度を与えないとうまくいかない」と続く。
【英語訳】
Harmony is the greatest of virtues.
「和を以て貴しとなす」の解説
「和を以て貴しとなす」っていう言葉はね、昔の日本の有名な人、聖徳太子が作った「十七条憲法」の中に出てくるんだ。その中には、「あまり怒らないこと」や「他の人のことを悪く思ったり、うらやんだりしないこと」など、大人も子供もみんなが守るべき大切なことが書かれているんだよ。その中の一つが、「和をなによりも大切にし、けんかはしないこと」っていう意味の、「和を以て貴しとなす」なんだ。
でもね、この言葉の出どころは、もっと前、昔の中国の有名な先生である、孔子の考えから来ているんだ。孔子が話していたことを後の人々がまとめた「論語」っていう本に、「和を以て貴しとなす」っていう考え方が書かれているんだよ。
でも、この「和」に対する考え方は、論語と聖徳太子ではちょっと違うんだ。「論語」では「みんなで仲良くしないと、社会のルールや上下の関係を守っていけないよ」という意味で書かれているんだけど、聖徳太子の考えでは、特別なルールや上下関係よりも、ただ純粋に「和」が大切だよ、と書かれているんだよ。
それぞれの考え方の違いを理解することで、言葉の深さや意味をもっと深く理解することができるよね。
「和を以て貴しとなす」の使い方
「和を以て貴しとなす」の例文
- 所属する集団のなかで、争いごとが起こるのを常に警戒し、目を凝らし、耳をそばだてているので、女性は「和を以て貴しとなす性」 なのだと本に書いてある。
- 和を以て貴しとなすことを日本人はことさら大事にしているが、「和」はあくまでも何かを成し遂げるための一つの方法であって、目標とすべき事柄ではない。
- 和を以て貴しとなすという言葉は、人は派閥や党派などを作りやすいが、そうなると偏った、かたくなな見方にこだわって、他と対立を深める結果になることを戒めている。
- 和を以て貴しとなすという言葉にあるように、納得のいくまで話し合った結果、文化祭での出し物は評判がよかった。
- 和を以て貴しとなすという言葉にあるように、和と礼を大事にしないで、相手の気持ちを忖度して行うような会議は意味がない。
対立や争いを起こさず、一致団結して進めることの重要さを教えているね。