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【旅は道連れ世は情け】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

旅は道連れ世は情け

【ことわざ】
旅は道連れ世は情け

【読み方】
たびはみちづれよはなさけ

【意味】
旅では道連れがいると心強いように、世の中を渡るには互いに情けをかけ合うことが大切だというたとえ。

ことわざ博士
旅は道連れ世は情けは、旅の心細さと人生の助け合いを重ねた表現だよ。
助手ねこ
旅行中の同行者のありがたさをいう場面にも、人と人とが思いやりをもって支え合う場面にも用いるニャン。

【英語】
・in traveling, a companion; in life, sympathy(旅には道連れ、人生には思いやり)

【類義語】
・世の中は相持ち(よのなかはあいもち)
・持ちつ持たれつ(もちつもたれつ)
・人は情け(ひとはなさけ)

【対義語】
・人を見たら泥棒と思え(ひとをみたらどろぼうとおもえ)

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「旅は道連れ世は情け」の語源・由来

ことわざを深掘り

「旅は道連れ世は情け」は、旅をするには同行する人がいると心強く、世の中を生きるには人どうしの思いやりが大切だ、という二つの考えを重ねたことわざです。旅の道中と人生の歩みを結びつけ、助け合いの大切さを短い言葉で表しています。

このことわざの古い用例として、『毛吹草(けふきぐさ)』(1638年、松江重頼編)が挙げられます。『毛吹草』は俳諧(はいかい)に関わる書物で、江戸時代前期には「旅は道連れ世は情け」という形がすでに知られていたことを示しています。

「旅は道連れ」だけの形も、やや後に広まっています。『細少石』(1668年・江戸時代前期)には、「風の神や旅は道つれ夜半の雲」という句があり、旅には同行者がいると心強いという考えが、俳諧の言葉としても使われていました。

江戸時代の旅は、今のように交通機関や案内が整った旅とは違い、道中で迷ったり、宿を探したり、人の助けを必要としたりすることが多いものでした。そのため、見知らぬ人でも、同じ道を行く相手がいることは安心につながり、会話や助け合いが旅の支えになりました。

浅井了意作『東海道名所記(とうかいどうめいしょき)』には、「旅は道づれ世はなさけ」という言い回しとともに、出家した楽阿弥陀仏と大坂あたりの手代が、江戸日本橋から京都三条大橋へ向かう東海道の上り旅をする筋立てが出てきます。この作品では、道中の名所案内だけでなく、二人連れの旅のやりとりが物語の楽しみとして描かれています。

ここで大切なのは、「道連れ」が単に同じ道を歩く人というだけではない点です。旅先で出会った人と心を通わせ、ときに助け、ときに助けられることが、旅を安全で楽しいものにします。その経験が、世の中全体でも互いに情けをかけ合うべきだという教えへ広がっていきました。

江戸時代後期には、「旅は道連れ」という短い形が江戸いろはかるたにも取り入れられ、子どもにも親しまれる言葉になりました。それでも「世は情け」と続ける形が今もよく使われるのは、旅の話だけで終わらず、人と人との思いやりを説く温かい響きをもつためです。

このように、「旅は道連れ世は情け」は、実際の旅での心強さから出発し、人が生きていくうえでの助け合いへ意味を広げたことわざです。今では旅行の場面だけでなく、学校、仕事、地域生活などで、互いに支え合うことの大切さを表す言葉として使われています。

「旅は道連れ世は情け」の使い方

健太
遠足の帰り道、駅で下級生が切符をなくして困っているよ。
ともこ
先生を呼んで、いっしょに探そう。旅は道連れ世は情けだね!
健太
うん。ぼくたちも前にバス乗り場を教えてもらって助かったから、今度は手伝おう。
ともこ
切符が見つかったら、みんなで落ち着いて学校へ帰ろう。
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「旅は道連れ世は情け」の例文

例文
  • 初めての町で道に迷ったとき、通りかかった人が案内してくれ、旅は道連れ世は情けを実感した。
  • 山道で荷物を持ち合った二人は、旅は道連れ世は情けのとおり、互いに励ましながら歩いた。
  • 転校したばかりの友人を皆で助ける姿に、旅は道連れ世は情けという言葉を思い出した。
  • 地域の祭りでは、年齢の違う人たちが協力し、旅は道連れ世は情けの精神で準備を進めた。
  • 出張先で同じ会議に向かう人と道順を確かめ合い、旅は道連れ世は情けだと思った。
  • 困ったときに手を差し伸べる社会こそ、旅は道連れ世は情けを大切にする社会だ。

主な参考文献
・松村明監修、小学館国語辞典編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・松江重頼編『毛吹草』1638年。
・浅井了意作、冨士昭雄校訂『東海道名所記・東海道分間絵図』国書刊行会、2002年。
・The Electronic Dictionary Research and Development Group『JMdict』。





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