「初心忘るべからず」の意味(語源由来・類義語)
【ことわざ】
初心忘るべからず
【読み方】
しょしんわするべからず
【意味】
物事を始めたばかりの頃の、真剣で謙虚な気持ちを忘れるなというたとえ。何事も最初に始めた頃の気持ちを忘れずに、すなおな気持ちで取り組むべきだということ。
それが、いつまでも上達し続ける秘訣やな。
【語源由来】
世阿弥の、「花鏡」に「当流に万能一徳の一句あり。初心不可忘」とあることが由来。
物事に慣れて、怠け心を起こしたり、うぬぼれたりすることを戒める言葉から。
【類義語】
・始めが大事
「初心忘るべからず」の解説
「初心忘れるべからず」っていう言葉はね、自分が何かを始めたときの初めての気持ち、つまり「初心」を忘れちゃいけないよ、っていう意味があるんだよ。
例えば、君がピアノを習い始めたとき、音楽を作り出す楽しさに魅了されてたよね。でも、時間が経って難しい曲を練習するようになると、その楽しさを忘れがちになることもあるよね。そんなときに、この「初心忘れるべからず」っていう言葉を思い出して、初めてピアノを弾いたときの楽しさを思い出すんだよ。
このことわざの由来は、室町時代の能楽師である世阿弥(ぜあみ)が書いた「花鏡(かきょう)」という本にあるんだ。「当流に万納一徳の一句あり。初心忘るべからず。」と書かれていて、つまりは、何事も初心を忘れずに、始めた当初の心情、情熱を持ち続けることが大切だって教えているんだよ。世阿弥は、父である観阿弥(かんあみ)と一緒に能を発展させた人物で、彼らの教えは今でも多くの人にとって大切な指針となっているんだよ。
「初心忘るべからず」の使い方
しっかり練習してね。
「初心忘るべからず」の例文
- なんだか最近やる気がなくなってきた。でも初心忘るべからずだから、もう一度がんばろう。
- 新しい仕事にはだいぶ慣れてきたけれど、慣れた頃が恐ろしい。初心忘るべからずで取り組もう。
- 結婚当初はあれほど料理をがんばっていたけれど、この頃すっかり出前が多くなってしまっているわ。初心忘るべからずで、料理の勉強をもう一度やってみようかしら。
- 最近はサッカーの練習にも慣れてきて、ついついいい加減になってしまっている。初心忘れずべからずだな。
- ちょっと上達したからといって、いい気になってはいけない。初心忘るべからずだよ。
【注意!】間違った例文
❌「はじめての練習だから、怪我に気をつけよう。初心忘るべからずというからね。」
「初心忘るべからず」を英語で言うと?
「初心忘るべからず」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
Never forget the beginner’s humility.
- 直訳:初心者の謙虚さを忘れてはいけない。
Don’t forget your first resolution.
- 直訳:最初に決めたことを忘れないように。
- 意味:最初の決意を忘れないことは大切だ。
Don’t forget the beginner’s humility.
- 直訳:初心者の謙虚さを忘れるな。
- 意味:初心者の頃の謙虚な態度は大切にせよ。
Back to the beginner’s spirit.
- 直訳:初心者の精神に戻れ。
- 意味:初心にかえることも時には大切だ。
Try never to lose your initial enthusiasm.
- 直訳:最初の熱意を決して失わないよう努めなさい。
- 意味:最初の熱意は持ち続けるべきだ。
Always keep your mind as open as when you began.
- 直訳:始めたときと同じように、常に心を開いておきなさい。
- 意味:初心を忘れてはならない。