「進退窮まる」の意味(出典・類義語)
【ことわざ】
進退窮まる
【読み方】
しんたいきわまる
【意味】
進むことも退くこともできなくなり、どうしてよいかわからなくなる。
この言葉は、とても困難な状況を表していて、どのような選択をしても解決しないような場合を言うんや。進退窮まった状況では、ほんまに厳しい選択を迫られるんやな。
【出典】
『詩経』
【類義語】
・万事休す
「進退窮まる」の解説
「進退窮まる」という表現は、「どうにもこうにもならない」という意味で、行動の選択肢が完全に限られてしまい、どう動いていいかわからないような困難な状況に置かれていることを指しているんだよ。
この言葉の由来は、「詩経」の「大雅・桑柔」にある一節で、「進退維これ谷まる(進もうにも退こうにも、どうにも動くことができない)」という表現から来ているんだ。この部分では、友人が告げ口をするような世の中の悪い風潮について嘆いているんだね。
たとえば、会社での難しい決断や人間関係のトラブルなどで、「進んでも問題があるし、退いても問題がある」といった状況にあるときに「進退窮まる」と表現されるんだ。この状況では、どのような選択をしても問題が解決しないか、またはさらなる問題を引き起こす恐れがあるんだね。
「進退窮まる」という言葉は、行動するにも行動しないにも困難が伴う状況を上手く表していて、そうした状況での決断の難しさや、行き詰まった感じを表現しているんだ。
「進退窮まる」の使い方
「進退窮まる」の例文
- とうとう後ろが崖というところまで追いつめられて、進退窮まってしまった。
- 休場が続き、横綱もいよいよ進退窮まってきた。
- 前には凶暴そうな犬、後ろには怒り狂ったともこちゃん、進退窮まる。
- 進むも引くも、その先にある結果はろくなものではないように思えたから、進退窮まってしまった。
- 彼女の表情は引きつっていて、進退窮まっていると誰の目にも明らかだった。
- ともこちゃんは果敢に戦ったが、ここに進退窮まったかに思われた。
「進退窮まる」の文学作品などの用例
ほんとうをいうと彼れは始めからこの建物がそれにちがいないと思っていたが、はいるのがいやなばかりに知らんふりをして通りぬけてしまったのだ。もう進退谷まった。彼れは道の向こう側の立樹の幹に馬を繋いで、燕麦と雑草とを切りこんだ亜麻袋を鞍輪からほどいて馬の口にあてがった。(有島武郎のカインの末裔より)