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【逸物の鷹も放さねば捕らず】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語)

逸物の鷹も放さねば捕らず

【ことわざ】
逸物の鷹も放さねば捕らず

【読み方】
いちもつのたかもはなさねばとらず

【意味】
どんなにすぐれた能力をもつ人や物でも、実際に用いなければ役に立たず、力を発揮する機会を与えなければ成果は出ない、というたとえ。

ことわざ博士
「逸物の鷹も放さねば捕らず」は、才能や実力そのものだけでなく、それを生かす場の大切さをいうことわざなんだよ。
助手ねこ
すぐれた人材を適切な仕事や役割に向ける場面で用いるニャン。

【類義語】
・百貫の鷹も放さねば知れぬ(ひゃっかんのたかもはなさねばしれぬ)

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「逸物の鷹も放さねば捕らず」の語源・由来

ことわざを深掘り

「逸物」は、群れの中でとくにすぐれているものを指す言葉です。人だけでなく、馬・牛・犬・鷹など、力や性質にすぐれた生き物にも用いられてきました。『太平記』(14世紀後半成立)には「逸物(イチモツ)の射手」という用例があり、すぐれた者を選び出す意味で使われています。

このことわざの「鷹」は、鷹狩(たかがり)の鷹です。鷹狩は、飼い慣らして訓練した鷹や隼を山野に放ち、野鳥や小さな獣を捕らえさせる狩猟を指します。どれほどすぐれた鷹でも、腕に据えたままでは獲物を捕れません。空へ放たれてはじめて、本来の働きを示します。

ことわざとしては、江戸時代前期の俳諧書『毛吹草(けふきぐさ)』(正保2年・1645年、松江重頼編)に結びつく表現として伝わります。『毛吹草』は、俳諧(はいかい)に関わる言葉や表現を広く収めた書物であり、ことわざや言い回しを知るうえでも重要な資料です。

この表現の中心にあるのは、「すぐれているだけでは足りない」という考え方です。鷹の価値は、見た目の立派さだけでは決まりません。実際に放ち、獲物に向かわせてこそ、その速さ、目のよさ、捕らえる力が分かります。そこから、人の才能も、ただ抱えているだけでは働かず、ふさわしい場を与えてこそ役に立つという意味へ広がりました。

近い形のことわざに、「百貫の鷹も放さねば知れぬ」があります。『人倫糸屑(じんりんいとくず)』(1688年・江戸時代前期)には、「百貫(クハン)の鷹(タカ)もはなさねば鳥はとらず」という用例が出てきます。大金で買った鷹でも、実際に放って鳥を捕らえさせてみなければ、良し悪しは分からないという意味です。

「逸物の鷹も放さねば捕らず」は、その考えを、さらに「実力のある人を生かす機会」のほうへ強く向けたことわざです。すぐれた人物をただ評価するだけでなく、その人に合った役割や場所、機会を与えることが大切だという教えを含みます。才能はしまい込むものではなく、ふさわしいところで働かせてこそ本当の価値を示すという意味につながっています。

「逸物の鷹も放さねば捕らず」の使い方

健太
クラスのポスター、絵が得意な翔太くんにまかせたらすごくよくなりそうだね。
ともこ
うん。でも、まだ係に入っていないから、本人は手伝っていいのか迷っているみたい。
健太
それなら先生に相談しようよ。逸物の鷹も放さねば捕らずっていうし、得意な人に出番を作ったほうがいいよ!
ともこ
いいね!翔太くんが描いたら、運動会のポスターがきっと目立つものになるよ。
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「逸物の鷹も放さねば捕らず」の例文

例文
  • 計算の得意な生徒を記録係にしないのは、逸物の鷹も放さねば捕らずというものだ。
  • 経験豊かな職人に簡単な雑用だけを任せていては、逸物の鷹も放さねば捕らずになってしまう。
  • 文章力のある友人に案内文を書いてもらい、逸物の鷹も放さねば捕らずだと感じた。
  • 新しい企画を任せる場がなければ、逸物の鷹も放さねば捕らずで、若手の力は伸びにくい。
  • その選手を試合に出さないまま実力を疑うのは、逸物の鷹も放さねば捕らずに近い。
  • 得意分野を生かす仕事を与えてこそ、逸物の鷹も放さねば捕らずという教えが生きる。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・小学館『大辞泉』編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・公益財団法人日本漢字能力検定協会『漢検 漢字ペディア』。
・松江重頼編『毛吹草』正保2年(1645年)。
・松江重頼編、新村出校閲、竹内若校訂『毛吹草』岩波書店、1971年。
・『人倫糸屑』1688年。





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