【ことわざ】
浮き沈み七度
【読み方】
うきしずみななたび
【意味】
長い人生には、よい時期も悪い時期もあり、それを何度も繰り返すということ。人生の栄えたり衰えたりする変化を表すたとえ。


【英語】
・ups and downs(よい時と悪い時の起伏)
・the ups and downs of life(人生の浮き沈み)
【類義語】
・浮き沈みは世の習い(うきしずみはよのならい)
・浮き沈みも一代に七度(うきしずみもいちだいにななたび)
・沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり(しずむせあればうかぶせあり)
・世は七下がり七上がり(よはななさがりななあがり)
【対義語】
・平穏無事(へいおんぶじ)
「浮き沈み七度」の語源・由来
「浮き沈み七度」は、「浮き沈み」と「七度」を組み合わせ、人生のよい時と悪い時が何度もめぐることを表すことわざです。「浮き沈み」は、もとは物が水に浮いたり沈んだりすることを表し、そこから、物事がよくなったり悪くなったりすること、栄えたり衰えたりすることを表すようになりました。
「浮く」は、物が底や地面などから離れて、水面や空中などにあることを表します。また、よくない境遇から脱して、事態がよい方向に向かう意味にも用いられます。
「沈む」は、水面上にあったものが水中へ入ることを表します。さらに、不運に陥る、暗い気持ちになる、落ち込むなど、人の境遇や心の状態を表す意味にも広がっています。
この二つが並ぶと、水の上で上がったり下がったりする具体的な動きから、人の運命や暮らしがよくなったり悪くなったりすることを表す比喩になります。「浮き沈み」には、浮いたり沈んだりする意味と、栄えたり衰えたりする意味の両方があります。
「七度」の「七」は、きっかり七回だけを数えるというより、何度も繰り返すことを印象づける数として働いています。実際に、「七下がり七上がり」も、人生は不安定で何度も浮き沈みを繰り返すという意味をもつ近い表現です。
同じ発想は、「世は七下がり七上がり」ということわざにも表れています。この言い方は、世渡りにはよい時も悪い時もあるので、有頂天になったり絶望したりしてはならない、という教えを含んでいます。
「浮き沈み七度」は、この「下がる」「上がる」という見方を、水に浮く、沈むという動きで言い表したものです。水面に浮かび上がる時もあれば、下へ沈む時もあるという姿を、人の一生の好不調に重ねています。
このことわざには、「悪い時期が来ることもある」という現実の見方と、「悪い時期だけが続くわけではない」という励ましの両方があります。人生には好調な時期も不調な時期もあり、その繰り返しが人生であるという意味で用いられます。
近い言い方に「沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり」があります。こちらは、長い人生には悪い時もあればよい時もあり、悪いことばかりが続くものではないというたとえです。
また、「浮き沈みは世の習い」「浮き沈みも一代に七度」も同じ考えを表します。どちらも、人生には好調と不調が何度も訪れるという見方を、短くまとめた言い方です。
このことわざは、成功した時に思い上がらず、苦しい時に投げ出さない心構えを伝えます。人生の流れは一定ではないからこそ、よい時にも悪い時にも心を乱しすぎず、次の変化に備えることが大切だと教える表現です。
現在では、事業、勉強、仕事、家庭、友人関係など、人生のいろいろな場面に使われます。一度の失敗で人生が決まるわけではなく、一度の成功で安心しきってよいわけでもないという、落ち着いた人生観を含むことわざです。
「浮き沈み七度」の使い方




「浮き沈み七度」の例文
- 商売には好調な年も不調な年もあり、まさに浮き沈み七度である。
- 若いころに失敗を重ねた祖父は、浮き沈み七度の人生を経て、今の会社を築いた。
- 受験に一度失敗しても、浮き沈み七度と思って努力を続けることが大切だ。
- 人気のある仕事ほど変化が激しく、浮き沈み七度を覚悟して取り組む必要がある。
- 友人はけがで大会に出られなかったが、浮き沈み七度と考えて次の目標に向かった。
- 人生は浮き沈み七度だから、成功した時も失敗した時も落ち着いて歩むべきだ。
主な参考文献
・現代言語研究会著『故事ことわざの辞典』あすとろ出版、2007年。
・松村明監修『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館。
・Cambridge University Press編『Cambridge Dictionary』Cambridge University Press。
・HarperCollins Publishers編『Collins COBUILD Advanced Learner’s Dictionary』HarperCollins Publishers。























