『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』講談社より出版。詳細はコチラ!

【江戸べらぼうに京どすえ】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

江戸べらぼうに京どすえ

【ことわざ】
江戸べらぼうに京どすえ

【読み方】
えどべらぼうにきょうどすえ

【意味】
江戸と京都の方言の特色を対照させ、言葉遣いにはその土地の気風が表れるということ。江戸の荒っぽい「べらぼう」と、京都のやわらかな「どすえ」を並べた言い方。

ことわざ博士
土地の言葉が、その土地らしさを映すという見方を表すことわざだよ。
助手ねこ
江戸と京都の言葉の響きや印象の違いを、調子よく言い表す場面で用いるニャン。

【英語】
・So many countries, so many customs(国が違えば習慣も違う)

【類義語】
・大阪さかいに江戸べらぼう(おおさかさかいにえどべらぼう)
・長崎ばってん江戸べらぼう(ながさきばってんえどべらぼう)

【スポンサーリンク】

「江戸べらぼうに京どすえ」の語源・由来

ことわざを深掘り

「江戸べらぼうに京どすえ」は、江戸と京都の言葉の特色を、二つの代表的な言い方を並べて表したことわざです。江戸の「べらぼう」と京都の「どすえ」を対照にし、言葉の響きから土地の気風まで思い浮かべさせます。

このことわざの「江戸」は、威勢のよい町人言葉の印象と結びついています。「べらぼう」は、程度がひどいこと、ばかげていること、人をののしる言葉などを表します。

「べらぼう」の表記には「篦棒」「箆棒」などがありますが、これは当て字です。語源については、寛文(かんぶん)年間末ごろから延宝(えんぽう)年間初めごろ、江戸時代前期に見世物で評判になった「便乱坊」「可坊」という人物に由来する説があります。

古い用例としては、『卜養狂歌集(ぼくようきょうかしゅう)』(1681年ごろ・江戸時代前期、半井卜養著)に「べらぼう」が出てきます。この段階では、ばかにする言い方や、普通でないものを指す言葉として使われていた流れがうかがえます。

江戸時代中期の川柳集『誹風柳多留(はいふうやなぎだる)』(1765〜1840年刊)には、「べらぼうな夫」という形の用例が出てきます。ここでは、人を直接ののしるだけでなく、「ばかげている」「でたらめである」という様子を表す言葉として広がっています。

また、十返舎一九の滑稽本『東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)』(1802〜1809年刊)には、「べらぼうめ」という形の用例が出てきます。旅の失敗や言い合いをおもしろく描く作品の中で、この言い方は江戸らしい威勢のよい口調として伝わります。

「べらぼうめ」は、さらに音が変わって「べらんめえ」となり、江戸っ子が相手をののしる言葉として知られるようになりました。この変化によって、「べらぼう」は、江戸の荒っぽく勢いのある話しぶりを代表する言葉として受け取られるようになりました。

一方、「京どすえ」の「京」は、京都の言葉のやわらかい響きを表しています。京言葉は、古くから京都の人の言葉を指し、田舎言葉や江戸言葉に対して、優美な言葉とされることがありました。

「どす」は京都方言の助動詞で、「です」にあたる丁寧な断定の言い方です。「で」に、丁寧な言い方の「おす」が付いた「でおす」から変化したものとされ、江戸末期から明治初期ごろに生じた言い方と考えられています。

「どすえ」は、この「どす」を含むやわらかな言い方として、「……ですよ」という意味で受け取られます。「江戸べらぼうに京どすえ」では、京都の穏やかで物柔らかな語調を代表する形として用いられています。

このことわざは、江戸と京都を実際以上に単純化して決めつける言葉ではありません。方言の一部を取り出して、土地ごとの言葉の響きや印象の違いを、軽くしゃれた形で言い表したものです。

そのため、現在の意味は「江戸では本当にいつも『べらぼう』と言い、京都ではいつも『どすえ』と言う」という説明ではありません。言葉遣いには、その土地の歴史や人々の気風がにじむという見方を、短く覚えやすく表したことわざです。

「江戸べらぼうに京どすえ」の使い方

健太
東京のおじさんの家に行ったら、みんな話すテンポが速くてびっくりしたよ。
ともこ
京都の私のおばあちゃんの家は、ゆっくりした話し方で、なんだか上品な響きがあるわ。
健太
まさに江戸べらぼうに京どすえ、という言葉の通り、街によって言葉や雰囲気が全然違うんだね!
ともこ
本当ね、それぞれの土地に素敵な個性があって、どちらの言葉も聞いていて楽しいわ。
【スポンサーリンク】

「江戸べらぼうに京どすえ」の例文

例文
  • 江戸べらぼうに京どすえというように、同じ日本語でも土地によって響きは大きく異なる。
  • 方言の展示で江戸と京都の言葉を比べ、江戸べらぼうに京どすえの意味がよく分かった。
  • 祖父は落語と京ことばを聞き比べて、まさに江戸べらぼうに京どすえだと言った。
  • 旅行先で耳にした言葉遣いの違いから、江戸べらぼうに京どすえを思い出した。
  • 地域の気風を言葉から見る例として、授業で江戸べらぼうに京どすえを取り上げた。
  • 江戸べらぼうに京どすえは、方言が土地の雰囲気を映すことを調子よく表す。

主な参考文献

・集英社辞典編集部編『会話で使えることわざ辞典』集英社、1989年。
・現代言語研究会編『日本語を使いさばく 故事ことわざの辞典』あすとろ出版、2007年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・小学館『デジタル大辞泉』。
・平凡社『百科事典マイペディア』。
・LanGeek Dictionary “so many countries, so many customs”.





『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』(講談社)発売中♪

マンガでわかる ことわざ図鑑

◆試験に出ることわざを網羅
ことわざは小学、中学、高校、大学、さらに就職試験の問題になっています。ことわざの試験対策としてもオススメの一冊。

◆マンガで楽しみながらことわざを知る! 憶える!
本書では、マンガで楽しくわかりやすくことわざを解説し、記憶に定着させます。