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「渇すれども盗泉の水を飲まず」の意味(出典・故事・類義語)
【ことわざ】
渇すれども盗泉の水を飲まず
【読み方】
かっすれどもとうせんのみずをのまず
【意味】
苦境にあっても不正に手を染めないということ。
困ったときでも正直さを失っちゃあかん、ってことやな。不正な手段に手を出したら、結局ろくなことないわな。正直が一番、これは確かやね!
【出典】
「陸機」の詩「猛虎行」
孔子が「盗泉」という名の泉のそばを通った時、非常にのどが渇いていたが、名前だけで身が汚れるとして飲まなかったという。
【類義語】
・鷹は飢えても穂を摘まず
・虎は飢えても死したる肉を食わず
・武士は食わねど高楊枝
・悪木盗泉
「渇すれども盗泉の水を飲まず」の解説
「渇すれども盗泉の水を飲まず」は、ちょっと大人っぽい言葉かもしれないけど、小学生にもわかるように説明するね!
このことわざの意味は、どんなに困った時でも、悪いことや不正なことには手を出さない、という教えなんだよ。
話の主人公は孔子で、昔の中国の有名な先生だよ。彼が旅の途中でとてものどが渇いた時、目の前に「盗泉」という名前の泉があったんだ。でも、その名前が気に入らなかった孔子は、その泉から水を飲むことを拒んだんだ。
「盗泉」って名前は、「盗人の泉」という意味。孔子は、正しいことを大切にした人だったから、こんな名前の泉からは水を飲みたくなかったんだね。
この話から、どんなに困っていても、不正なことや悪いことに手を出さないようにしようという大切な教えを得ることができるよ。
例えば、お菓子が欲しくてたまらない時に、お店から盗んじゃおうと思うかもしれないけど、それは絶対にダメ。ちゃんと自分のおこづかいで買うか、我慢するようにしよう。
「渇すれども盗泉の水を飲まず」って言葉は、そういう「ちゃんとした方法で問題を解決しよう」という気持ちを育てるための、とてもいいことわざなんだよ。
「渇すれども盗泉の水を飲まず」の使い方
「渇すれども盗泉の水を飲まず」の例文
- お金がなくて苦しいが、渇すれども盗泉の水を飲まずの精神で万引きはしない。
- 渇すれども盗泉の水を飲まずと思い、無人販売の野菜を盗むのをぐっとこらえる。
- 悪事は必ず誰かが見ているものだし、渇すれども盗泉の水を飲まずだ。
- 苦境をどうにかしたいが神の罰が怖いので、渇すれども盗泉の水を飲まず。
- 一度悪事に手を染めるとこちらの世界に戻って来られなくなるので、渇すれども盗泉の水を飲まずと自分を戒める。
「渇すれども盗泉の水を飲まず」の文学作品などの用例
多くの人々が飢えを感じても食べ物が欠乏している時に、自ら犠牲となって職を控えることは、日常にわれわれの実験するところである。渇すれども盗泉の水は飲まずという言葉もあり、飢えても信念は変えないという人もある。多くの場合に自我は食物を取れと命ずるであろう。(河合栄治郎の学生に与うより)