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【泣きっ面に蜂】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

泣き面に蜂

【ことわざ】
泣きっ面に蜂

【読み方】
なきっつらにはち

【意味】
悪いことや不幸が重なること。すでにつらい目にあっているところへ、さらに困ったことが加わること。

ことわざ博士
泣きっ面に蜂は、泣いている顔をさらに蜂が刺すという、つらさが重なる比喩を表すことわざだよ。
助手ねこ
失敗、けが、予定外の出費など、悪い出来事が続いて気持ちが沈む場面で用いるニャン。

【英語】
・Misfortunes never come singly.(不運は一つだけでは来ない)

【類義語】
・弱り目に祟り目(よわりめにたたりめ)
・踏んだり蹴ったり(ふんだりけったり)
・一難去ってまた一難(いちなんさってまたいちなん)

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「泣きっ面に蜂」の語源・由来

ことわざを深掘り

「泣きっ面に蜂」は、泣いている顔をさらに蜂が刺す、という非常に分かりやすい情景からできたことわざです。すでに悲しくて泣いているところへ、さらに痛い目にあうため、不幸や困りごとが重なる様子を強く表します。

「泣きっ面」は「泣き面」の音が変化した形で、「泣き面」は泣いた顔つき、または今にも泣き出しそうな顔つきを指します。このもとの意味をふまえると、「泣きっ面に蜂」は、弱っている人の顔そのものに、さらに痛みが加わるたとえだと分かります。

古い形としては、「泣面を蜂が刺す」という言い方があります。この形は、泣いている顔を蜂が刺すという意味から、不幸の上に不幸が重なること、また困っている上にさらに困ったことが加わることを表します。

『諺苑(げんえん)』(1797年・江戸時代後期、太田全斎著)は、俗語や俗諺(ぞくげん)を集め、いろは順に並べて語釈や出典を示した国語辞書です。この書物に「泣面を蜂が刺す」の形が出ており、江戸時代後期には、現在のことわざにつながる言い方がすでに知られていたことが分かります。

その後、明治時代の『西洋道中膝栗毛』(1870〜1876年、仮名垣魯文著)には、「泣ッつらを蜂がさすとはこの事だぜ」という用例が出てきます。ここでは「泣きっ面に蜂」そのものではなく、「泣きっ面を蜂が刺す」という、動きのある長い形で使われています。

同じく明治時代の『二人むく助』(1891年、尾崎紅葉著)にも、「泣顔を蜂に刺されし椋助は、途方に暮れて」という用例が出てきます。この用例では、泣いている顔を蜂に刺されるという具体的な場面が描かれ、どうにもならず困り果てる様子が表されています。

江戸時代の中ごろからは「泣きっ面を蜂が刺す」などの少し長い形で用いられ、江戸時代後期には江戸いろはかるたにも収められて広く知られるようになりました。いろはかるたは、短いことわざを遊びながら覚えるものなので、この表現が人々の生活の中に入りやすかったと考えられます。

二十世紀に入ると、「泣きっ面に蜂」という短い形が強くなり、現在では主にこの形で使われています。「を蜂が刺す」という出来事を説明する形から、「に蜂」という簡潔な形へとまとまったことで、会話や文章の中でいっそう使いやすいことわざになりました。

このことわざの特徴は、悪いことがただ続くというだけでなく、「すでにつらいところへ、さらに追い打ちがかかる」という点にあります。そのため、財布を落としたあとに雨に降られる、けがをしたうえに大事な予定までだめになる、というように、つらさが重なって気持ちが沈む場面に合う表現です。

「泣きっ面に蜂」の使い方

健太
聞いてよ、ともこちゃん。朝から散々なんだ。テストで名前を書き忘れて点数が引かれちゃったんだよ。
ともこ
ええっ、それはショックだね。でも、そんなに落ち込まないで。
健太
それがさ、がっかりして帰ろうとしたら、急に雨が降ってきた上に、自転車までパンクしちゃったんだ。まさに泣きっ面に蜂だよ……。
ともこ
うわあ、それは本当に大変だったね。まずは家で温かいものでも食べて、ゆっくり休んだほうがいいよ!
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「泣きっ面に蜂」の例文

例文
  • 遠足の日に熱を出したうえ、楽しみにしていたお弁当まで家に忘れて、泣きっ面に蜂となった。
  • 試合で負けたあとに自転車のタイヤまでパンクし、泣きっ面に蜂の一日だった。
  • 財布をなくしたところへ急な修理代まで必要になり、泣きっ面に蜂の出費が続いた。
  • 大雨で電車が遅れたうえ、会議の資料もぬれてしまい、泣きっ面に蜂の朝になった。
  • 風邪で寝込んでいるときに洗濯機まで壊れ、家族は泣きっ面に蜂の状態になった。
  • 店の売り上げが落ちているところへ近くで道路工事も始まり、泣きっ面に蜂の状況が続いた。

主な参考文献
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2006年。
・松村明監修『デジタル大辞泉』小学館。
・太田全斎『諺苑』1797年。
・仮名垣魯文『西洋道中膝栗毛』1870〜1876年。
・尾崎紅葉『二人むく助』1891年。





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