「無くて七癖」の意味(類義語・英語訳)
【ことわざ】
無くて七癖
【読み方】
なくてななくせ
【意味】
人はだれでも、癖があるので、ないように見える人でも七つぐらいは、癖があるものだ。
なんてったって、人間だもんな。完全に癖なし、って人はいないってこと。表面だけ見て判断しない方がええんやな、これは。
【類義語】
・難なくして七癖
・人に七癖我が身に八癖
・人に一癖
・人に一癖馬に馬癖
【英語訳】
Every man has his faults.
Every man has his own peculiar habits.
Everyone has his foibles.
「無くて七癖」の解説
「無くて七癖」っていうのは、実はもともと「無くて七癖、有って四十八癖」っていう長い言葉があって、それを短くしたものなんだよ。
ここでいう「七」は、「無」という言葉の音に合わせて作ったもので、少ないということを示しているんだ。だから、「無くて七癖」とは、癖がないと思っている人でも、じつは7つくらいは癖があるってこと。
それに対して、「癖がある人は四十八癖ある」ということわざがあって、これは相撲の「四十八手」という言葉から来ていて、たくさんの癖があるってことを示しているんだ。
「無くて七癖、有って四十八癖」全体で見ると、「癖がないと思っている人でも、じつは何かしら癖があるし、癖があると自覚している人は、数えきれないほど癖があるよ」という意味になるんだよ。人の癖については、みんな何かしら持っているから、他人の癖を厳しく指摘するのはやめよう、っていう古人の教えが込められているんだね。
「無くて七癖」の使い方
「無くて七癖」の例文
- 無くて七癖とは良く使われる言葉ですが、周りの人に指摘された、無意識に行っている自分の癖をいくつか挙げて下さい。
- 無くて七癖と言うけれど、あの人の場合、二十癖くらいあるよね。いやもっとあるかな。
- 誰にでも無くて七癖あるらしいが、私にはひとつも思い当たるところがない。
- 人はだれでも、無くて七癖で、よく観察すると、くせが見えてくる。父は怒るとびんぼうゆすりをするくせ、母は機嫌がいいときは鼻歌を歌うくせがある。
- プロ野球選手のプレイを見ていると、人の癖は無くて七癖どころかもっとたくさんあるものだと思った。
- 癖を個性と捉えてみれば、無くて七癖とはなかなか悪いものでもありません。
つまり、完全に無垢で癖のない人は存在しないということを教えてくれるんだ。