「空谷の跫音」の意味(出典・類義語・英語訳)
【ことわざ】
空谷の跫音
【読み方】
くうこくのきょうおん
【意味】
人の気配がなかった静かな谷間で聞く足音のことで、寂しい日々を送っているところへ訪問客があったり、便りがあったりする喜びをいうことば。
「跫音」は足音のこと。
跫音を恐怖として感じるときに用いるのは誤用。
「空谷の跫音」ということわざは、心がさびしくて寂しい時に突然、嬉しい知らせや情報が入ってくる状況を表現しているんだよ。
あー、それはつまり、ホンマに寂しいときやねんけど、そこへ意外といい知らせが飛び込んでくるってことやな。
まるで、真っ暗な夜にふと明るい星が輝くみたいな感じや!こんな時期だからこそ、その知らせがめっちゃうれしいんやろな。
【出典】
「荘子」徐無鬼の「空谷に逃るる者は、人の足音の跫然たるを聞きて喜ぶ」から。
【類義語】
・空谷足音
【英語訳】
welcome footsteps in a lonesome valley.
a ray out of the darkness.
a ray of hope amidst despair.
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「空谷の跫音」の解説
カンタン!解説
「空谷の跫音」という言葉やエピソードは、孤独や孤立の中で、少しの情報や声、または援助がどれほど喜ばしいことかを表現しています。その背景にある話からも、真実を語ることの価値や、真実を聞くことの喜びを理解できます。
武侯のように、真実や誠実な意見を聞く機会がなかった人にとって、徐無鬼のような人が語る真実は非常に価値があり、その声は「空谷」に響く「跫音」のように心に響きます。
この言葉やエピソードは、人々が真実や誠実な意見、情報をどれほど求めているか、そしてそれを与えることの価値を示しています。現代でも、情報が氾濫する中で、真実や誠実な意見を求める人々にとって、この言葉は重要な意味を持つでしょう。
「空谷の跫音」の使い方
最近、面白い新作が出ないね。面白い本が出ないと、余計にみんなが本屋に行かなくなって、ますます出版不況が加速するよね。
そうねえ。ああ。でもこの前出たばかりの、老大家の作品は、圧巻の面白さだったわよ。さすがって言いたくなるような文章でね、あっという間に読んでしまったわ。
それは、出版界にとっては、空谷の跫音だね。
もう、映画化も決まっているらしいし、これでまた、出版界が盛り上がって、いい本がたくさん出ると良いわね。
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「空谷の跫音」の例文
- 留守番をしているときに、雷が鳴るし、大雨も降って薄暗くなり、心細くてお布団にもぐり込んでいたら空谷の跫音のごとき母の足音が聞こえた。
- 誰も私の意見に賛成してくれず、これでおしまいかと思ったとき、彼が空谷の跫音で賛同してくれたおかげで場の空気が変わった。
- あたらしい街に引っ越して、まだ知り合いもいなくて寂しいところに、空谷の跫音で友人から手紙が届き、泣きそうになるほどうれしかった。
- 当時、この巨人が出てくる漫画は、漫画界に於ける空谷の跫音として、何人も一読三嘆したものだが、友人によると相当若い作者が描いたらしい。