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【君子危うきに近寄らず】の意味と使い方や例文(出典・類義語・対義語・英語訳)

君子危うきに近寄らず

「君子危うきに近寄らず」の意味(出典・類義語・対義語・英語訳)

意味

【ことわざ】
君子危うきに近寄らず

【読み方】
くんしあやうきにちかよらず

【意味】
教養があり徳のあるひとは、身を慎んで危険なものごとにむやみにちかよらないということ。

「君子」とは、かしこくて人格もすぐれた立派な人のことをいう。
ことわざ博士
「君子危うきに近寄らず」は、教養のある立派な人物は、自分の行動に気をつけるから危険な場所や状況に近づかないという意味があるんだよ。
助手ねこ
つまり、立派な人は自分の行動にきちんと気をつけて、自分が危険になるようなところには近寄らないんやな。

自分の行動をしっかり見て、自分自身を守ることが大事ってことを教えてくれてるんやな。

【出典】
春秋公羊伝

【類義語】
・君子危うきにのぞまず

【対義語】
・虎穴に入らずんば虎子を得ず

【英語訳】
・A wise man keeps away from danger.
・A wise person never courts danger.
・To stay away from danger,to lie low.

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「君子危うきに近寄らず」の解説

カンタン!解説
解説

「君子危うきに近寄らず」の「君子」っていうのは、本当にすごい人、つまり教養があり、良い行いをする人のことを指すんだ。

次に「危うきに近寄らず」の部分を見てみよう。これは、「危ないものには近づかない」って意味だよ。例えば、火や危ない道具、大きな犬など、危ないものがあると、大人たちは「近づかないで!」って言うよね。

だから、「君子危うきに近寄らず」全体を見ると、「本当にすごい人は、危ないものに近づかない」っていう意味になるんだ。それは物理的な危険だけじゃなく、たとえば嘘をつくとか、ズルをするとか、そういう危険な行為からも遠ざかることを意味してるんだよ。

この言葉は、中国の古代の歴史書『春秋』の注釈書、「春秋公羊伝」から来ていると言われているんだ。この本には「君子は刑人に近づかない」と書かれていて、これが「君子危うきに近寄らず」の元になったんだよ。

つまり、自分がどんなに立派な人であっても、自分自身を守るためにも、悪いことからは距離を置くことが大切だってことなんだよね。

「君子危うきに近寄らず」の使い方

健太
学校から帰ってきたら台所に大きな紙袋が置いてあって、中にこんなにたくさんお菓子が入ってたんだよ。
ともこちゃん一緒に食べようよ、どれにする?
ともこ
まあ、こんなにたくさん。
でもこれはきっと健太くんのお母さんが、何かの準備するために買っておいたんじゃないかしら・・・
健太
何の準備があるっていうのさ、ともこちゃんはお菓子食べたくないの?
ともこ
そうじゃないわ、君子危うきに近寄らずってこと。
健太くんだって、少しくらいお母さんを待ってみたらどうなの?
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「君子危うきに近寄らず」の例文

例文
  1. 君は自分がこれから何をしようとしているのか、ぜんぜん分かっていないんだ。君子危うきに近寄らずといって、今はそんな危険な挑戦をしてはいけないときなのだ。
  2. 彼はちっともわたしたちのプロジェクトに参加しようとしてくれないのです。それどころか、わたしたちがこんなに真面目に頑張っているのに、君子危うきに近寄らずなどと言って冷やかすのです。
  3. 君子危うきに近寄らずというが、教養があり徳のある人は自分を大切にするので、むやみに危ないところに近づいたりしない。
  4. 川で釣をしたとき、泳ごうと言われたけれど、流れが速かったので、君子危うきに近寄らずで泳がなかった。
  5. ぼくの両親は、昨日から夫婦喧嘩を続けている。こんなときは、君子危うきに近寄らずだ。声をかけないようにしよう。
  6. きみが君子危うきに近寄らずという気持ちになるのは、わたしにもよく理解できる。でも今度の仕事ばかりは、どうしてもきみに挑戦してもらわなければならないんだ。
  7. 今度の大会は、もうあの会場ではやりません。最初に手続きでもめたときから、わたしはもう別の会場を探し始めていたのです。詳しくはここでお話しませんが、君子危うきに近寄らずということです。

「君子危うきに近寄らず」の文学作品などの用例

「いずれ人はいるだろうさ。これほどの大きな屋敷の中に、人のいないはずはない。が、おれは大丈夫だ。五人十人かかって来たところで、粟田口あわたぐちがものをいう。って捨てるに手間ひまはいらぬ」「それはマアそうでございましょうがね。君子は危うきに近寄らず、いっそそれより本邸の方から、さがしてみようじゃございませんか」(国枝史郎の名人地獄より)

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「君子危うきに近寄らず」を深掘り

深掘り

「君子危うきに近寄らず」ということわざは、賢い人は危険な場所や事物に近づかないという意味を持ちます。これは、避けるべき状況や人間関係を遠ざけて、安全で健全な生活を目指すという考え方を示唆しています。

そして、現代の科学的研究によって、この古代の知恵が現実の人間の心理や身体の健康にどれほど重要であるかが証明されています。

ハワイ大学のハットフィールドらの研究では、ネガティブな感情や考えを持つ人との交流が、その感情や考えを共有することを引き起こす可能性が高まることが示されています。

実際、否定的な人との交流が長くなると、その人の態度や行動、さらには声のトーンや身体の動きにまで影響を受ける傾向があるとされています。

また、脳は自分の身体の動きや周囲の環境を基にして自分の感情を判断するという特性を持っています。このため、ネガティブな人との交流が続くと、そのネガティブな心の状態も自分に伝播し、心身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

具体的には、ハートマス研究所の研究によれば、怒りやネガティブな感情は、血圧の上昇、ストレス、不安、頭痛、血行不良などの身体的な問題を引き起こすことが知られています。さらに、怒りによるストレスは、免疫系の機能を6時間以上低下させるとも言われています。

しかし、ネガティブな人との関係を断つことは簡単ではありません。特にその人が家族や友人のように身近な存在である場合、単純に関係を避けるのは難しいですよね。

そのような場合、ミシガン州立大学の研究から学べることは、ネガティブな人に対して直接的なアドバイスや励ましの言葉をかけるのは逆効果であるということです。

代わりに、共感の言葉をかけてその人の気持ちを理解し、矛盾を与えずに耳を傾けることが重要です。

結論として、科学的な研究によって「君子危うきに近寄らず」の考え方が、人間の心と身体の健康を守るための賢明な選択であることが確認されています。

ネガティブな影響を遠ざけ、健全な心と身体を保つためには、そのような環境や関係を適切に距離を持って接することが大切です。

参考文献
このことわざ、科学的に立証されているんです | 堀田 秀吾


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