「脛に傷持つ」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
脛に傷持つ
【読み方】
すねにきずもつ
【意味】
隠しておきたい、やましいことがある。
過去の行いが今の自分に影響を与えてるってことやな。身に隠した秘密や恥の意味を示してるんやね。
【語源・由来】
他人からは目の届かない向こう脛に傷があるの意味から。
【類義語】
・足に傷
・傷持つ足
【英語訳】
guilty conscience
「脛に傷持つ」の解説
「脛に傷持つ」というのはね、昔にした悪いことや隠していることがある人のことを言うんだよ。脛(すね)に傷があると、それを隠そうとするでしょ。それと同じで、自分にやましいことがある人は、それを人に知られたくないと思うんだね。
たとえば、学校でいつもいい子を演じているけど、実は昔いたずらをしたことがある子がいるとしたら、その子が「脛に傷持つ」ってことになるんだ。その子は、過去のいたずらを隠しているんだね。
このことわざは、人には誰にも知られたくない過去や秘密があることがあるって教えてくれるんだよ。だから、他の人の過去を掘り返すのではなく、今のその人を大切にすることが重要なんだね。
「脛に傷持つ」の使い方
「脛に傷持つ」の例文
- 彼は脛に傷持つ身なので、なるべく人前には出ないようにしている。
- この一帯にいる連中は皆、脛に傷持つ身である。
- すんなり白状してくれるなら問題はないが、あの様子からすると、どうやら皆さんは脛に傷持つ人ばかりらしい。
- 本人は目から鼻へ抜けるほど利口なつもりでいても、脛に傷持つ弱みには、まんまとわなにひっかかり、騒動が持ちあがったのである。
- 脛に傷持つ彼は、外出時はいつもマスクとサングラスをつけて歩いているが、逆に怪しくみえて注目を集めている。
まとめ
もともとは「脛に疵持てば笹原走らぬ」からきていることわざである。笹の葉が触れて痛いので、脛に傷のある者はゆっくり歩けずに走るだろうという意味から、後ろ暗い人間が落ち着いて堂々とした世渡りができないことのたとえ。また、後ろ暗い人間は笹の葉が風に動くようなちょっとしたことにもおびえて走るものだという意味もある。葉っぱが風にそよぐ音を心地よい思いではなく、びくびくしながら聞くようでは、生きた心地がしないだろうから脛に傷を持ちたくないものである。
「脛に傷持つ」の文学作品などの用例
私は誰よりも奴に対して脛に傷持つ身と覚えてゐるので怕る怕る近づくと、まるで猛獣に餌でも与えるかのやうな臆病な物腰で、さっと奴の口のあたりにパンの棒を投げ出すと同時に外へ飛び退いた。(牧野信一の夜見の巻より)