【ことわざ】
敢えて後れたるに非ず、馬進まざればなり
【読み方】
あえておくれたるにあらず、うますすまざればなり
【意味】
自分の手柄を自慢したり誇らずに、へりくだることのたとえ。
【由来】
昔、中国の魯という国に、大夫(たいふ)という役職についていた孟之反(もうしはん)という人がいた。
戦争で味方の軍が負けてしまうことがわかったときに、自分の率いる軍をわざと遅らせて、味方の退却を助けた。
その功績により、軍は難を逃れることができた。
軍は孟之反の功績を称えようとしたが、「敢えて後れたるに非ず、馬進まざればなり」(わざと遅れたわけでなはく、馬が疲れてしまって前に進まなかっただけだ)といったことが由来。
実際には、あえて遅れて味方を守ったことから、自分の手柄を自慢せず謙遜するという意味で使われるようになった。
【出典】
孔子の「論語」
【英語】
It was not intentionally late. Since a horse did not progress.
It is modest wihtout being proud of one’s achievement.
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「敢えて後れたるに非ず、馬進まざればなり」の使い方
僕の友達は、頼まれたわけでもないのに、毎日放課後にひとりで教室の掃除をしているんだ。
素晴らしいことをしているのね。
だけど、掃除をしていると自慢しているのは見たことがないよ。
敢えて後れたるに非ず、馬進まざればなりというように、謙遜しているのね。
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「敢えて後れたるに非ず、馬進まざればなり」の例文
- 敢えて後れたるに非ず、馬進まざればなりというけれど、彼は営業成績がトップにも関わらず、自慢しているところは見たことがない。
- 彼はバスの中でお年寄りに席を譲っていたけれど、何事もなかったかのように目的地のバス停でバスを降りて行った。敢えて後れたるに非ず、馬進まざればなりとは彼のようなことを言うのだろう。
- テストでいつも一番を取っているけれど、敢えて後れたるに非ず、馬進まざればなりということを心がけたい。