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【餓鬼も人数】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

餓鬼も人数

【ことわざ】
餓鬼も人数

【読み方】
がきもにんじゅ

【意味】
取るに足りない者でも、いれば多少の役に立ち、多く集まれば侮れない力になることのたとえ。

ことわざ博士
一人でも数の足しになり、大勢なら勢いを生むという考えを表すんだよ。
助手ねこ
人を卑しめる響きが強いため、現代では自分をへりくだる場面などに限り、慎重に用いるニャン。

【英語】
・There is strength in numbers.(人数が集まれば力になる)

【類義語】
・枯れ木も山の賑わい(かれきもやまのにぎわい)
・蟻も軍勢(ありもぐんぜい)

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「餓鬼も人数」の語源・由来

ことわざを深掘り

「餓鬼も人数」は、「餓鬼」のように低く見られる者であっても、「人数」、すなわち人の数には含まれる、という組み立てのことわざです。ここでの「も」には、「そのような者でさえ」という含みがあり、軽視される者にも一定の役割があるという意味を生み出しています。

「餓鬼」は、もともと仏教の言葉です。サンスクリット語のプレータの訳語で、生前の行いの報いによって餓鬼道(がきどう)に落ち、絶えず飢えと渇きに苦しむ亡者を指しました。

『万葉集(まんようしゅう)』(8世紀後半成立、奈良時代)には、「大寺の餓鬼」を用いたたとえが出てきます。また、『今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)』(1120年ごろ成立か・平安時代後期)には、財物をむさぼった報いによって餓鬼の中に落ちたという話があります。この段階では、仏教上の存在としての意味が前面に出ています。

『日葡辞書(にっぽじしょ)』(1603〜1604年刊・江戸時代初期)には、「餓鬼」が飢えてやせ衰えた人の比喩として載るほか、人を叱り、おとしめる言葉としても記されています。仏教語だった「餓鬼」は、このころまでに、みすぼらしい者や取るに足りない者をののしる言い方へと広がっていました。

今日よく知られる、子どもを卑しめて「餓鬼」と呼ぶ用法の古い例は、『軽口あられ酒』(1705年・江戸時代中期)に出てきます。そのため、これより早い1672年の用例に現れる「餓鬼」は、単に子どもを指すというよりも、広く「取るに足りない者」を低く呼ぶ言葉として受け取るのが適切です。

「人数」は、このことわざでは「にんじゅ」と読みます。「にんじゅ」は古くから使われてきた読みで、1181年の『明月記(めいげつき)』や、13世紀前半の『平家物語(へいけものがたり)』にも用例があり、人の数や、集団を構成する人々を表しました。

このことわざの早い用例は、『後撰夷曲集(ごせんいきょくしゅう)』(1672年・江戸時代前期、生白堂行風編)にあります。『後撰夷曲集』は、391人の作者による1670首余りを収めた狂歌集です。

そこには、「おめしには餓鬼も人数ときくからに腰おれながら集を望めり」とあります。「腰おれ」は、下手な歌、または自作の歌をへりくだっていう言葉で、自分の歌はつたないものだが、それでも一人分には数えてほしい、という意味合いです。

この用例では、「取るに足りない者でも、まったく役に立たないわけではない」という現在の意味が、すでにはっきりと表れています。自分自身を低く言いながら歌集への参加を望んでいるため、他人を直接ののしるのではなく、へりくだったユーモアを含む使い方になっています。

その後、『国性爺合戦(こくせんやかっせん)』(1715年・江戸時代中期、近松門左衛門著)にも、「餓鬼も人数」の形が出てきます。ここでは、相手をあざける調子のせりふに用いられており、江戸時代には、相手を低く見る響きを伴う定型的な言い回しとしても通じていたことが分かります。

こうして、「一人でも数の足しになる」という意味と、「弱い者でも大勢集まれば侮れない」という意味が、一つのことわざの中で結びつきました。前者は人手の不足を補う場面で、後者は数が生み出す力を強調する場面で使われます。

ただし、「餓鬼」は、仏教語から人を卑しめる言葉へと意味を広げた表現です。現代の会話で他人を指して使うと侮辱になりやすいため、自分たちをへりくだって冗談めかして言う場合や、古い言い回しを説明する場合に用いるのが穏当です。

「餓鬼も人数」の使い方

健太
商店街の花壇に苗を百本植えるのに、大人の人が二人しか来られないんだって。
ともこ
それなら、私たちの班も手伝おうよ! 土を運んだり、苗を並べたりならできるよ。
健太
餓鬼も人数っていうし、ぼくら六人で動けば、ずいぶん早く終わりそうだね。
ともこ
うん。植える人、水をくむ人、道具を片づける人に分かれて始めよう!
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「餓鬼も人数」の例文

例文
  • 餓鬼も人数というつもりで、経験の浅い一年生も文化祭の会場作りに加わった。
  • 引っ越しの荷造りでは、餓鬼も人数で、子どもたちの手伝いも大きな助けになった。
  • 地域の雪かきは餓鬼も人数で、短時間しか参加できない人も力になった。
  • 新入社員ばかりの応援班だったが、餓鬼も人数で、十人そろうと作業が一気に進んだ。
  • 小柄な選手ばかりでも、餓鬼も人数で、全員が連携すれば相手にとって侮れない存在となった。
  • 彼は餓鬼も人数と自分をへりくだり、祭りの準備に進んで参加した。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・松村明監修、小学館大辞泉編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・公益財団法人日本漢字能力検定協会編『漢検 漢字辞典 第二版』公益財団法人日本漢字能力検定協会、2014年。
・Merriam-Webster, “Strength in Numbers,” Merriam-Webster.com Dictionary.
・生白堂行風編『後撰夷曲集』1672年。
・近松門左衛門『国性爺合戦』1715年。





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