【ことわざ】
杯中の蛇影
「杯中」は「盃中」とも書く。
【読み方】
はいちゅうのだえい
「蛇影」は「じゃえい」とも読む。
【意味】
疑心を起こせば、何でもないことにも神経を悩ますことのたとえ。
【出典】
「晋書・楽広伝」
【故事】
楽広という人の友人が、盃の酒に蛇の姿が見えるのを飲んで病気になった。後に、壁にかけた蛇に似た模様をつけた角が映ったのだと楽広に説明され、病気がたちまち治ったという中国の故事から。
【類義語】
・疑いは暗中の人影
・疑えば目に鬼を見る
・落ち武者は薄の穂にも恐ず
・疑心暗鬼を生ず/窃ぷの疑い
・茄子を踏んで蛙と思う
・幽霊の正体見たり枯れ尾花
【英語訳】
To be afraid of his own shadow.
「杯中の蛇影」の使い方
さっき飲んだオレンジジュースに四角い薬のようなものが入っていたんだけど、飲んでしまったんだ。ああ、毒かもしれない。なんだか気持ち悪くなってきた。
健太くん。大丈夫よ。
気休めはやめてくれ。ともこちゃん。もう、僕は死ぬんだ。ほら目の前が暗くなってきたよ。
だから、杯中の蛇影だって言っているの。あれは角砂糖。私がいたずらで入れたの。
「杯中の蛇影」の例文
- 犯人がクラスの中にいるかと思うと、杯中の蛇影でみんなが怪しく見えてくるから困る。
- 杯中の蛇影という言葉のように、私の彼は格好良いので、彼に話しかけてくる女性みんなが浮気相手に思えてくる。
- 杯中の蛇影という言葉のように、虫が大嫌いだから、壁の汚れまでもが虫に見えてくるくらいだ。
- 杯中の蛇影というように、この部屋にはお化けが出ると聞かされたものだから、物音一つでも、お化けが出たかと疑ってしまう。
- 杯中の蛇影という言葉があるように、僕は皆の態度からクラス一番の嫌われ者だと思って、みんなと距離を置くようにしていたが、僕がイケメンすぎてみんなが話しかけづらいだけだったことが分かった。