【いつも月夜に米の飯】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

いつも月夜に米の飯

【ことわざ】
いつも月夜に米の飯

【読み方】
いつもつきよにこめのめし

【意味】
年じゅう明るい月夜と米の飯が続けば申し分がないということから、飽きることのない気楽で満ち足りた生活のたとえ。

ことわざ博士
「いつも月夜に米の飯」は、苦労や不自由が少なく、望ましい状態が続くことをいう言葉なんだよ。
助手ねこ
毎日の暮らしが順調で、食べ物にも気持ちにもゆとりがある場面に用いるニャン。

【英語】
・a bed of roses(気楽で快適な暮らし)

【類義語】
・月夜に米の飯(つきよにこめのめし)
・いつも月夜と米の飯(いつもつきよとこめのめし)
・負ず借らずに子三人(おわずからずにこさんにん)

「いつも月夜に米の飯」の語源・由来

ことわざを深掘り

このことわざは、「月夜」と「米の飯」という、昔の暮らしの中でありがたいものを二つ並べた表現です。夜が明るく、食べ物にも満ち足りていれば、日々の不自由も少ないという考えから、気楽で申し分のない生活を表す言葉となりました。

古い形には、「月夜に米の飯」があります。『毛吹草(けふきぐさ)』(1638年序・江戸時代前期、松江重頼編)には、この形が俳諧(はいかい)に関わる言い回しとして出てきます。「月夜に米の飯」は、いつも月夜で、いつも米の飯を食べていられることを表し、快適で気楽な生活や、いつまでも飽きないもののたとえとして使われました。

その後、「いつも」を加えた形もはっきりと出てきます。『風狂文艸(ふうきょうぶんそう)』(1745年・江戸時代中期、田中友水子著)には、「世の中はいつも月夜に米の飯負はず借らずに子なら三人」とあります。ここでは、「いつも月夜に米の飯」に「負はず借らずに子なら三人」が続き、借金がなく、家族にも恵まれた平和な暮らしへの願いが重ねられています。

「負はず借らず」は、人の世話になりすぎず、借金もないという意味につながります。「負ず借らずに子三人」も、借金がなく、子どもが三人ほどいる平和で幸福な家庭をいうことわざとして用いられてきました。そのため、『風狂文艸』の用例では、月夜、米の飯、借金のない暮らし、子どものある家庭という生活上の安心が、一つの理想として並べられているといえます。

表記や言い回しには、「何時も月夜に米の飯」「いつも月夜と米の飯」「月夜に米の飯」などの形があります。「に」と「と」の違いはありますが、どちらも、月夜と米の飯が一年中続けば申し分がない、という考えを表しています。

江戸後期には、この言い方をもとにした狂歌(きょうか)も作られました。『万載狂歌集(まんざいきょうかしゅう)』(1783年・江戸時代後期、四方赤良・朱楽菅江編)には、「世の中はいつも月夜に米の飯さてまたまふしかねのほしさよ」という形が出てきます。満ち足りた暮らしを表す上の句に、さらに「金もほしい」という人間らしい欲を添えた歌で、このことわざがよく知られた言い回しとして受け取られていたことを示しています。

現在では、「いつも月夜に米の飯」は、毎日が何の苦労もなく都合よく続くような、満ち足りた暮らしのたとえとして用いられます。ただし、実際の生活はいつもそのように都合よくはいかない、という思いを含めて使うこともあります。昔の人が思い描いた「明るい夜」と「白い飯」のありがたさが、今も、気楽で恵まれた生活を表すことわざとして残っているのです。

「いつも月夜に米の飯」の使い方

ともこ
夏休みはおじいちゃんの家で過ごしたんでしょ? どうだった?
健太
それがもう最高だったよ! 毎日おばあちゃんが美味しい料理を作ってくれて、宿題も忘れて遊び放題だったんだ。
ともこ
ふふっ、本当に悩み事一つなさそうね。まさに「いつも月夜に米の飯」という生活じゃない!
健太
あはは、その通りだね。でも明日からは学校だから、現実に戻って頑張らなきゃ……。

「いつも月夜に米の飯」の例文

例文
  • 何の心配もなく好きな本を読んで過ごせる休日は、いつも月夜に米の飯のような時間だ。
  • 仕事が順調で家族も元気なら、いつも月夜に米の飯と思えるほどありがたい。
  • 毎日遊んで暮らせるわけではなく、いつも月夜に米の飯とはいかない。
  • 祖父は、若いころの苦労を思い出し、今の暮らしをいつも月夜に米の飯だと言った。
  • 旅先で天気にも食事にも恵まれ、まるでいつも月夜に米の飯のような三日間だった。
  • 収入が安定していても油断せず、いつも月夜に米の飯と思って無駄づかいをしないことが大切だ。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・佐竹秀雄・武田勝昭・伊藤高雄編、北村孝一監修『故事俗信ことわざ大辞典 第二版』小学館、2012年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・松江重頼編『毛吹草』1645年。
・田中友水子『風狂文艸』1745年。
・四方赤良・朱楽菅江編『万載狂歌集』1783年。


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