「桂林の一枝、昆山の片玉」の意味(出典・故事)
【ことわざ】
桂林の一枝、昆山の片玉
【読み方】
けいりんのいっし、こんざんのへんぎょく
【意味】
少し出世すること。得がたい人物や高潔な人格の人のことをいう。
自分の功績を大げさに言うのではなく、謙虚な心を持つことが尊重される文化の反映やね。
【出典】
「晋書」
【故事】
科挙に優秀な成績で合格し、のち雍州の長官に任ぜられた晋の郤詵が、武帝にどんな気持ちかとたずねられて「私の役職は桂林の一枝、崑崙山の美しい玉の一つのようなものです。多くの官職の末席にすぎません」と謙遜して答えたという。
「桂林の一枝、昆山の片玉」の解説
「桂林の一枝、昆山の片玉」っていう言葉はね、ちょっとした出世や成功を、自分を謙遜して表現するときに使うんだよ。ちょっとした達成を大げさに言わず、控えめに伝える感じだね。
「桂林」とは、香りのよい木がたくさん生えてる林のこと。中でも、特にいい香りのする「桂」という木があるんだ。でも「桂林の一枝」と言うことで、その素晴らしい林の中のほんの一本の小枝を取り上げるっていう意味で、自分の達成を小さく言う感じだよ。
そして、「昆山」とは、中国の伝説上の山で、この山は宝石がたくさん出ると言われているんだ。でも「昆山の片玉」とは、そのすごい山の中のほんの一つの小さな宝石を指していて、これも自分の達成を小さく言う意味があるんだ。
昔の中国では、科挙っていう大切な試験があって、それに合格すると官僚として働けるようになるんだ。人々はこの試験に合格した時に、自分の成功を「桂林の一枝、昆山の片玉」と言って、謙遜しながら自分の達成を伝えていたんだよ。
「桂林の一枝、昆山の片玉」の使い方
「桂林の一枝、昆山の片玉」の例文
- 謙遜して桂林の一枝、昆山の片玉といってたが、11人抜きの異例の出世を謙遜されると、逆に嫌みに聞こえる。
- ねたまれたくないので桂林の一枝、昆山の片玉と謙遜しておく。
- 彼は桂林の一枝、昆山の片玉なので、人の上に立つにふさわしい。
- 桂林の一枝、昆山の片玉であるあの人は、不正とは無縁だろう。
- 社会に出ると欲と不正にまみれるものだが、彼は桂林の一枝、昆山の片玉のままだ。
少しばかりの成功や出世を控えめに表現するために使われるんだ。特に、中国の古代の科挙試験において、合格した者が自分の成果を謙遜して述べる際によく用いられた言葉なんだ。