「口も八丁手も八丁」の意味(語源由来・類義語・対義語)
【ことわざ】
口も八丁手も八丁
【読み方】
くちもはっちょうてもはっちょう
【意味】
しゃべることもすることも達者なこと。口八丁手八丁。
また「口八丁手八丁」と表すこともあります。
こういう人はどんな場でも頼りになるわな。ほんまに口も手も八丁前や。
【語源由来】
「八丁」は、八つの道具を使いこなす意。物事に巧みなこと。
【類義語】
・口も口、手も手
・手八丁口八丁
【対義語】
・口自慢の仕事下手
・口たたきの手足らず
【英語訳】
・He has long arms and a long tongue as well.
・He speaks and writes with equal facility.
・He wields a facile pen and tongue.
・That person is a great talker, and great doer at that.
「口も八丁手も八丁」の解説
「口も八丁手も八丁」の「八丁」っていうのは、もともとは「八つの道具を使いこなすほど器用」という意味があるんだ。また、「八挺」という字も使うことがあるよ。「挺」は「櫓」(ろ)を意味することがあるんだけど、「櫓」っていうのは船をこぐための棒のことなんだよ。
で、これが「八挺小舟」(はっちょうこぶね)につながるんだけど、「八挺小舟」っていうのは、八つの櫓を使って操る船のことを指すんだ。だから、この「八丁」っていうのは、「八つの道具を使いこなす」とか、「八つの櫓を操る船を操る」ほど器用だっていう意味になるんだよ。
だから、「口も八丁手も八丁」っていうのは、「口がうまいし、手先も器用だけど、ちょっとだけ自慢げな感じ」っていう意味になるんだ。でも、実はこれ、褒め言葉というよりもちょっと皮肉っぽい意味合いで使われることが多いんだよね。だから、使うときはちょっと注意が必要だね。
「口も八丁手も八丁」の使い方
「口も八丁手も八丁」の例文
- 彼は口も八丁手も八丁で、営業成績も常にトップだ。
- 口も八丁手も八丁な彼女は世渡りが上手だから、私も彼女の振る舞いを見習いたい。
- 口も八丁手も八丁で、要領よく世の中を渡るのも才能である。
- 口も八丁手も八丁なタイプの人は羨ましい反面、他人から妬まれがちである。
「口も八丁手も八丁」の文学作品などの用例
大抵の人は気象が目へ出るという。祖母がやっぱりそれだった。全く眼色のような気象で、勝気で、鋭くて、よく何かに気の付く、口も八丁手も八丁という、一口に言えば男まさり……まあ、そういった質の人だったそうな、――私は子供の事で一向夢中だったが。(二葉亭四迷の平凡より)