「鑿と言えば槌」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
鑿と言えば槌
【読み方】
のみといえばつち
【意味】
色々な事に対して、細かな所まで気が利く事を意味しています。
これは、「人と一緒に仕事をする時は、相手が何を必要としてるかちゃんと考えて行動しよう」って教えてくれてるんや。一緒にいる人がスムーズに物事を進められるように、自分も周りをよく見て気を利かせることが大事やってことやね。
【語源・由来】
鑿(のみ)も槌(つち)も木材などを加工するための道具ですが、鑿を使うには槌が必要となります。
仕事場などで「鑿を取ってくれ」と仲間に頼まれた時、気の利く人は必要な槌も一緒に持ってきて渡してくれた事に由来します。
「上方いろはかるた」の中の「の」です。
「槌」とは、ハンマー・とんかち・げんのうとも呼ばれることがあり、鑿の柄の部分を叩くだけでなく、釘を打つ事などにも使われる道具です。
【類義語】
・鑿と言わば槌
・鑿と言えばさい槌
・一と言うたら二と悟れ
・かっと言えば痰壺
・からりと言えばあさり汁
【英語訳】
・Saying of a chisel, it is a mallet.
・It is an example of being smart.
「鑿と言えば槌」の解説
「鑿と言えば槌」ということわざは、物事をする上で必要なことや物は、言われなくても先回りして準備しておくべきだという意味があるんだ。鑿で木を削るときには槌が必要不可欠だから、鑿を使うという話を聞いたら、当然槌も一緒に用意するべきだという考え方を示しているんだよ。
この表現は、仕事や日常生活で「気が利く」ことの大切さを教えてくれる言葉なんだ。何をすべきか、何が必要かを周囲から指示される前に、自分で考えて行動することの重要性を示しているんだね。
例えば、誰かがプロジェクトであるツールを使うと言ったら、それに関連する他の必要な資料や道具も一緒に準備しておくことが、このことわざで言われている「気をきかせる」という行動に当たるんだ。
また、この言葉は上方(関西地方)の「いろはかるた」の一部にも採用されていて、日本文化の中でも気が利くこと、周りの状況をよく見て行動することの価値を示しているんだよ。
「鑿と言えば槌」の使い方
「鑿と言えば槌」の例文
- 鑿と言えば槌というように、気働きができるアルバイトさんは会社によって大いに貢献してくれる存在なので、正社員登用されるチャンスも大きいですね。
- 僕の彼女は才色兼備だが、鑿と言えば槌というほど僕に対して気遣いを見せてくれる。
- 妹に洗濯物を畳んでおいてと頼むと、一生懸命畳んでくれるものの、畳んだ物を床に置きっぱなしである。その点、お姉ちゃんに頼むと、ハンカチやシャツにはアイロンをかけ、畳んだ物もきちんとしまってくれる。鑿と言えば槌とはお姉ちゃんのためにあるようなことわざだ。
- 鑿と言えば槌という気遣いができない人は、人に何かを頼まれても「面倒な事をおしつけられた」「言われた事だけやっておけ」と考えています。逆に、気遣いができる人は、頼んだ相手の立場になって物事を考えることができる人です。
まとめ
このことわざは気の利く人の事を表していますが、人と人との間柄を言い表した言葉に「ツーと言えばカー」「阿吽(あうん)の呼吸」がありますね。
つまり、何事も明言されなくても、周りの状況をよく見て先回りして行動することの重要性を教えているんだ。