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「青は藍より出でて藍より青し」の意味(語源由来・出典・類義語・英語訳)
【ことわざ】
青は藍より出でて藍より青し
【読み方】
あおはあいよりいでてあいよりあおし
【意味】
教えを受けた弟子が、その先生よりもすぐれた人になることのたとえ。
学んでる中でどんどん力をつけて、先生を超えちゃうこともあるんやな。
【語源由来】
青色の染料は藍の葉からとるが、もとの草の藍の色よりもずっと濃く、きれいな青い色になることから、藍を先生、青を弟子にたとえた。
【出典】
「荀子(勧学)」
【類義語】
・出藍のほまれ
・氷は水よりいでて水より寒し
【英語訳】
・The scholar may be better than the master.
「青は藍より出でて藍より青し」の解説
「青は藍より出でて藍より青し」の「藍」というのは、青色の染料を作るための植物で、その葉を使って染料を作るんだ。そして、その藍で染められた布は、藍の葉よりもっと鮮やかな青色になるんだよ。だから、「青は藍より出でて藍より青し」という言葉が出来たんだ。
このことわざが生まれたのは、昔の中国の人、荀子っていう人が言ったからなんだ。彼はすごく賢い人で、「君子」って呼ばれていたんだよ。「君子」とは、立派な人のことを指す言葉なんだ。
荀子は、学問についてこんなふうに言っていたんだよ。「学びは絶えず続けるべきだよ。青色は藍色から作られるけど、その青色は藍色よりもっと鮮やかだよ。それと同じで、氷は水からできるけど、その氷は水よりもっと冷たいんだよ。」これが、「青は藍より出でて藍より青し」の原型だね。
荀子がこの言葉を使ったのは、学問の大切さを伝えるためだったんだ。つまり、学び続けることで、自分の知識や技術が成長し、元々の自分を超えることができるという意味なんだ。だから、学びは絶えず続けるべきだと、荀子は言っていたんだよ。
「青は藍より出でて藍より青し」の使い方
「青は藍より出でて藍より青し」の例文
- 青は藍より出でて藍より青しと言うが、先生よりバイオリンが上手になるなんて凄いね。
- 先生が教えたバスケットボールの技術を、ある生徒が練習してうまくなり、最後には先生よりも上手くなった。青は藍より出でて藍より青しだね。
- 彼は恩師よりすごい成績を残した。まさに青は藍より出でて藍より青しだね。
- ピアノの先生が教えてくれた曲を、ともこちゃんが一生懸命練習し、最後には先生よりも素晴らしい演奏をするようになった。「青は藍より出でて藍より青し」ということわざが示す通り、努力して学ぶことで、時には先生を超えることもできるのだ。
- 僕の方が先輩なのに、僕より仕事ができるなんて青は藍より出でて藍より青しだ。
- ある若手シェフが有名な料理人から技術を学び、独自のアイデアを取り入れた料理で評判を呼び、最終的には師匠をしのぐ人気店を開くことができた。青は藍より出でて藍より青しというように、師から学んだことを発展させ、結果として師を超えることは素晴らしいことだね。
「青は藍より出でて藍より青し」の文学作品などの使用例
萩の舎門下の才媛たちの間で、「あいよりあおし」と定評されていたのは花圃であり、その花圃と並んでその才幹を着目されているのが一葉であった(宮本百合子の婦人と文学より/1948)
「青は藍より出でて藍より青し」を深掘り
「青は藍より出でて藍より青し」という言葉は、古代中国の思想家・荀子が残した表現を元にしており、これは「青色を生む藍という染料植物から生まれた布は、その原料の藍よりもさらに鮮やかな青色に染まる」という意味を持っています。
この言葉は、学びや成長の過程で、教えを受けた師匠や元々の素材を超えて、より優れたものになる可能性を示唆しています。
古代の中国では、アイという染料植物は非常に身近な存在であり、その存在感は歌や詩にも詠まれていました。例として、紀元前八世紀の歌謡集『詩経』にも、アイを主題とした詩が収録されており、夫を待つ女心の表現として使用されています。
日本においても、このアイを使用した染色、特に縹色は、古代から衣服に用いられてきました。伝説や法要、とくに東大寺の修二会での「青衣の女人」という伝説は、アイで染められた青衣を着た女性の幻が関わるもので、この伝説もアイの染料の重要性を示しています。
江戸時代になると、藍染めや紺色が町人文化の象徴として広がりました。特に、江戸の町人や職人たちが身に纏ったはんてんや浴衣、そして浮世絵にも、このアイで染めた青色や紺色がよく描かれていました。
さらに、この時代の藍染めの色は、外国人が日本の芸術に触れる際に「ヒロシゲ・ブルー」として特に印象的であったとされています。
この藍染めの伝統は、近代においてもジーンズという形で日本の若者文化に再び浸透してきました。アメリカでのジーンズの歴史や、映画に登場するカウボーイの姿も、この青色の魅力を象徴しています。
結論として、青は藍より出でて藍より青しという言葉は、学びと成長の過程を示すものとしてだけでなく、古代から現代にかけての藍染めの文化や歴史を通じて、人々の生活や文化、心の中に深く染み入ってきた色であり、その魅力と影響力を示しているのです。
参考文献
植物ことわざ事典 | 足田 輝一