「馬を牛と言う」の意味(出典・類義語)
【ことわざ】
馬を牛と言う
【読み方】
うまをうしという
【意味】
白を黒というように、明らかに間違っているのに自分の意見を押し通すこと。
権威や圧力で自らの主張を無理やり押し通すことのたとえ。また、人の心中を察することのたとえ。
ああ、なるほどな。つまり、「自分の言うことを無理やり通す」ってことやな。明らかに馬なのに、「あれは牛や」と言い張るみたいな感じや。
こういう言葉は、人が権力とか地位を利用して、事実と違うことを押し付けてくる時に使うんやな。その違いを理解して、正しい判断をすることの大切さを教えてくれる言葉やな。
【出典】
『雑話集』より。
「ウマ」というと日本では、「馬」と「午」という漢字が思い浮かびます。この2つの漢字には違いがあります。「馬」は象形文字で、馬のたてがみと足を示しています。一方、「午」は干支からきています。本来は干支とは年・月・時刻・方位等を表す為に使われていましたが、庶民にも分かりやすいように身近な動物に結びつけて覚えたのが始まりとされています。「午」は「忤(さからう)」という言葉から来ており、「上昇する陰と下退する陽が抵触する点」を表しています。「絶頂を極めきったところ」ということですので、現代でも「正午」とは一番日が高くなる12時を指しています。
【類義語】
・鷺を烏と言いくるめる
・鹿を指して馬と為す
・白を黒という
・雪を墨
【スポンサーリンク】
「馬を牛と言う」の解説
カンタン!解説
「馬を牛と言う」っていうことわざは、大きく分けて2つの意味があるんだよ。一つ目は、自分の主張を強引に押し通すこと。二つ目は、他人の心の中を察することだよ。
一つ目の意味について言うと、これはね、明らかに馬なのに、それを無理に牛だと言い張る、つまり、自分の考えや意見をどんなに無理でも通そうとする態度を示しているんだよ。ちょっと横暴で無理矢理な感じだね。
二つ目の意味は、他人の心の中をうまく読む、感じ取る能力を表しているんだ。これは、孔子という古代中国の先生が、一緒に歩いていた弟子たちに対して、馬を見て「それは牛だ」と言ったとき、一番早く理解した弟子の話からきているんだよ。その弟子は「午(十二支のうま)の字は、頭を出すと牛になる」とすぐに悟ったんだって。
だから、「馬を牛と言う」っていうことわざは、自分の考えを強引に押し通す態度と、他人の感情や考えを敏感に感じ取る能力、この2つの意味があるんだよ。
「馬を牛と言う」の使い方
今日は◯◯先生、随分と機嫌が悪いみたいだね。
そうだね、一体何があったんだろう。出来ればあまり関わりたくないね。
あの先生は馬を牛と言うところがあるからね。授業中、意に反する事を言わないように気をつけないと。
本当にね、早く機嫌が戻ってくれるといいんだけど。
【スポンサーリンク】
「馬を牛と言う」の例文
- 社長があまりにも高圧的に話すもんだから、思わず僕も馬を牛と言うしかなかったよ。
- やつは馬を牛と言うタイプだから、一緒に出かけてもワガママばかりで苦労するよ。
- 人は権力を持つと、馬を牛と言うタイプに変貌してしまうものだよ。彼も昔は柔軟なタイプだったんだけどね。
つまり、明らかに馬なのに牛だと主張する、という意味で、事実とは異なるものを強引に言い張る様を描いているんだよ。