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【上を下へ】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

上を下へ

【慣用句】
上を下へ

【読み方】
うえをしたへ

【意味】
入り乱れて混乱するさま。ふつう「上を下への大騒ぎ」の形で用いる。

ことわざ博士
「上を下へ」は、上にあるべきものを下にし、下にあるべきものを上にするほど、秩序が乱れた状態を表しているよ。
助手ねこ
突然の事件、事故、知らせなどで、人々があわてて動き回り、場がごった返す場面で用いるニャン。

【英語】
・topsy-turvy(上下が逆になるほど混乱した状態)
・in utter confusion or disorder(ひどく混乱し、秩序がない状態)

【類義語】
・てんやわんや(てんやわんや)
・蜂の巣をつついたよう(はちのすをつついたよう)
・上よ下よ(うえよしたよ)

【対義語】
・整然(せいぜん)
・平穏(へいおん)
・平穏無事(へいおんぶじ)

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「上を下へ」の語源・由来

慣用句を深掘り

「上を下へ」は、もとは「上を下へ返す」という言い方から縮まった表現です。「上を下へ返す」は、上にあるべきものを下にし、下にあるべきものを上にするという意味から、混乱してごった返すさまを表します。

ここでいう「返す」は、物の向きや位置を反対にすることを表します。上にあったものが下になり、下にあったものが上になるほど秩序が乱れる様子を、混乱のたとえにした言い方です。

古い形として重要なのは、「上を下へ返す」です。金刀比羅本『保元物語』(1220年ごろ成立か・鎌倉時代の軍記物語)中には、「御所中の兵共、上を下に返してあわてさわぐ」という趣旨の用例が出てきます。

『保元物語』は、保元元年(1156)に起こった保元の乱を中心に描いた軍記物語です。この用例では、御所の中の兵たちが、上と下をひっくり返すほどあわて騒ぐ様子を表しており、現在の「混乱してごった返す」という意味に近い使い方がすでに表れています。

同じく軍記物語の『太平記』(応安年間、1368〜1375年ごろ成立とされる南北朝時代の軍記物語)にも、混乱を表す「上を下へ返す」の形が出てきます。巻第八には「京中上を下へ返して騒動す」とあり、京の中が大きく乱れて騒ぎになった場面を述べています。

この段階では、まだ「返す」という動詞が残っています。つまり、上と下を入れ替えるような動きそのものを言い表しながら、そこから人々が入り乱れて大騒ぎする様子を表していました。

やがて「返す」が省かれ、「上を下へ」という短い形でも意味が通じるようになりました。「上を下へ」は、「上を下へ返す」の略として、混乱してごった返すさまを表す慣用的な言い方になっています。

現在では、単独で使うよりも、「上を下への大騒ぎ」という形でよく用いられます。この形では、建物の中、学校、町、職場などで、人々があわてて行き来し、何が何だか分からないほど混乱している様子を表します。

似た表現に「上よ下よ」があります。これは、上になったり下になったりして、めまぐるしく入れ替わるさまを表し、『狂言記』(1660年・江戸時代前期)にも古い用例があります。

「上を下へ」と「上よ下よ」は、どちらも上下が入り乱れる様子をもとにしています。ただし、「上を下へ」は、現在では「上を下への大騒ぎ」の形で、場全体の混乱や騒動を表す言い方として使われることが多くなっています。

この慣用句で大切なのは、「上や下へ」ではなく「上を下へ」という形です。「上を下へ返す」という元の形を考えると、「上を下へ」という言い方は、上にあるものを下へ移す動きをもとにしていることが分かります。

つまり「上を下へ」は、上下の位置がひっくり返るほどの混乱を、人々のあわただしい動きや騒ぎに重ねた表現です。物理的に上下が逆になるという意味から、のちに、秩序が乱れ、人々が入り乱れて動く状態を表す慣用句として定着しました。

「上を下へ」の使い方

健太
明日のお楽しみ会の道具が入った箱が、どこにも見当たらなかったんだ。
ともこ
えっ、あの大きな段ボール箱がなくなっちゃったの?!
健太
放課後、教室でみんなが机を動かして荷物をひっくり返して探したから、上を下への大騒ぎだったよ。でも見つかったんだ。
ともこ
無事に見つかって本当によかったね。これで明日のお楽しみ会は安心して迎えられるね。
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「上を下へ」の例文

例文
  • 駅で停電が起こり、改札の周りは上を下への大騒ぎとなった。
  • 校庭に迷い犬が入り込み、休み時間の学校は上を下への騒ぎになった。
  • 突然の出荷停止の知らせで、工場の事務所は上を下への混乱に包まれた。
  • 舞台の直前に主役の衣装が見つからず、楽屋は上を下への大騒ぎだった。
  • 地震速報が流れると、町内会の避難所は上を下への忙しさになった。
  • 社内の大切な資料が消えたと分かり、部署全体が上を下への騒ぎになった。

主な参考文献
・小学館国語辞典編集部編『デジタル大辞泉』小学館。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・『金刀比羅本保元物語』1220年ごろ成立か。
・『太平記』応安年間成立か。
・Merriam-Webster『Merriam-Webster.com Dictionary』Merriam-Webster。





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