【瓜に爪あり爪に爪なし】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語)

瓜に爪あり爪に爪なし

【ことわざ】
瓜に爪あり爪に爪なし

【読み方】
うりにつめありつめにつめなし

【意味】
よく似た「瓜」と「爪」の字形の違いを覚えるための言葉。「瓜」には爪に見立てた一画があり、「爪」にはその一画がないことを表す。

ことわざ博士
「瓜に爪あり爪に爪なし」は、わずかな字画の違いを、調子のよい言葉にまとめた記憶法だよ。
助手ねこ
「瓜」と「爪」を書き分けたり、読み分けたりするときに用いるニャン。

【類義語】
・爪に爪なく瓜に爪あり(つめにつめなくうりにつめあり)

「瓜に爪あり爪に爪なし」の語源・由来

ことわざを深掘り

「瓜に爪あり爪に爪なし」は、食べ物の瓜や、人の手足にある爪について述べたものではありません。形のよく似た二つの漢字を正しく区別するために作られた、文字遊びを兼ねた覚え方です。

「瓜」の字をよく見ると、中央から下の部分に、折れ曲がり、上へはねるような一画があります。この一画を「つめ」に見立て、「瓜には爪がある」と表しました。

これに対して、「爪」の字には、その折れ曲がった一画がありません。そのため、言葉どおりに「爪には爪がない」と覚えれば、二つの字を取り違えにくくなります。

ただし、「瓜」という漢字が、「爪」という漢字に一画を付け加えて作られたという意味ではありません。「瓜」と「爪」は、それぞれ異なるものの形から生まれた漢字です。

「瓜」は、つるに下がる瓜の実の形をかたどった象形文字です。中央のふくらんだ部分が実を表し、左右へ伸びる線が、つるや実の外形を思わせる字形になっています。

一方、「爪」も象形文字で、上から下へ向けた手の形をかたどり、物をつかんだり持ち上げたりすることを表した字です。のちに、手足の先にある「つめ」の意味でも用いられるようになりました。

このことわざは、漢字本来の成り立ちを説明するものではなく、二つの字が似ていることを利用した日本語の記憶法です。「瓜」と「爪」の形の違いと、「爪」という言葉の意味とを重ねたところに、巧みな言葉遊びがあります。

古い出典としては、俳諧撰集(はいかいせんしゅう)の『鷹筑波集(たかつくばしゅう)』(1642年・江戸時代前期、山本西武編)が挙げられます。この書物は全五巻からなり、松永貞徳の門人たちの発句や付句を集めたものです。

現在の言い方の前半に近い古例は、俳諧集『二息(ふたいき)』(1693年・江戸時代前期、松月堂不角編)にも出てきます。そこには「瓜に爪有からみれば午に角」とあり、「瓜」に爪があるならば「午」には角があるという、漢字の形を利用した句になっています。

この用例では、まだ「爪に爪なし」までを続けた現在の形にはなっていません。しかし、「瓜」の字にある一画を「爪」と呼び、文字遊びに用いる発想が、江戸時代にはすでに広まっていたことが分かります。

江戸時代後期の諺語辞典(げんごじてん)『譬喩尽(たとえづくし)』(1786年序、松葉軒東井編)には、「爪に爪なく瓜に爪あり」という、逆の順序の形が収められています。『譬喩尽』は、ことわざを中心に、詩歌・童謡・流行語・方言などを広く集めた書物です。

その後、「瓜に爪あり」と「爪に爪なし」を対にして並べる形が定着しました。似た音を繰り返す調子のよさによって、わずかな字画の違いを覚えやすくしたことわざとして、現在まで伝わっています。

「瓜に爪あり爪に爪なし」の使い方

健太
漢字の小テストで、「瓜」を「爪」と書いてしまったよ……。
ともこ
瓜に爪あり爪に爪なしって覚えると、もう迷わないよ!
健太
「瓜」には、真ん中に折れ曲がった一画があるんだね。
ともこ
そうそう。次の小テストでは、きっと正しく書けるよ。

「瓜に爪あり爪に爪なし」の例文

例文
  • 先生は、「瓜」と「爪」の違いを教えるために、瓜に爪あり爪に爪なしと黒板に書いた。
  • 祖母から瓜に爪あり爪に爪なしと教わって以来、二つの漢字を間違えなくなった。
  • 漢字練習帳の余白に瓜に爪あり爪に爪なしと書き、字形の違いを覚えた。
  • 書道教室では、瓜に爪あり爪に爪なしを思い出しながら、「瓜」の一画を丁寧に書いた。
  • 原稿を読み直した編集者は、瓜に爪あり爪に爪なしと口にして、誤字を「瓜」に直した。
  • 日本語を学ぶ留学生は、瓜に爪あり爪に爪なしという覚え方を使って、似た漢字を区別した。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・公益財団法人日本漢字能力検定協会編『漢検 漢字辞典 第二版』日本漢字能力検定協会、2014年。
・小川環樹・西田太一郎・赤塚忠・阿辻哲次・釜谷武志・木津祐子編『角川新字源 改訂新版』KADOKAWA、2017年。
・山本西武編『鷹筑波集』1642年。
・松月堂不角編『二息』1693年。
・松葉軒東井編『譬喩尽』1786年序。




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