「衣鉢を継ぐ」の意味(語源由来・類義語)
【ことわざ】
衣鉢を継ぐ
【読み方】
いはつをつぐ
【意味】
宗教・学問・芸術などの各流派で、弟子が師から奥義を授けられる。また、先人の業績を受け継ぐこと。
師匠の教えをしっかりと自分のものにし、それを次に繋げていく。そして、過去の偉人が残した価値ある業績も引き継いで、それを更に発展させていく。そういうことを言うんやな。
【語源由来】
仏教用語を出典とする。「衣」は袈裟、「鉢」は托鉢に使う鉢を表し、仏僧が弟子に衣と鉢を仏法の伝授と共に託すことに由来する。
【類義語】
・衣鉢を伝う
「衣鉢を継ぐ」の解説
「衣鉢を継ぐ」っていうことわざは、ある道を極めている先生や師匠から、そのすごい技や知識を教えてもらって、自分もそのすごさを受け継ぐっていう意味なんだよ。
たとえばね、ピアノを教えてくれる先生から、すごく難しい曲の弾き方を教えてもらったり、おじいちゃんから家族が代々やってきた伝統工芸の作り方を教えてもらったりすることを指すんだ。
衣鉢とは昔の僧侶の服やお椀を意味していて、これを受け継ぐことは、その人の思想や技術、精神を受け継ぐっていうことなんだよ。だから、「衣鉢を継ぐ」は、大切な技や知識、精神を先人から受け継ぐっていう大切なことを表しているんだね。
「衣鉢を継ぐ」の使い方
「衣鉢を継ぐ」の例文
- 彼は、自分の衣鉢を継ぐことのできるのは、健太くんだけだと考えていた。
- 彼は、父の衣鉢を継いで農村の研究を行った。
- 彼は、反対派である部長の衣鉢を継ぐ多くの熟練した社員たちに、あえて目はかけなかった。
- 兄が父の衣鉢を継いで、弟である僕は旅に出ることにしたのだった。
- 先生が亡くなられてから、もうすでに五年になるが、あの衣鉢を継ごうという人が誰もあらわれないのである。
「衣鉢を継ぐ」の文学作品などの用例
もともと養父金兵衛は木曽谷での分限者に数えられた馬籠の桝田屋惣右衛門父子の衣鉢を継いで、家では造り酒屋の外に質屋を兼ね、馬も持ち、田も造り、山林には木の苗を植え、時には米の売買にもたずさわって来た人である。(島崎藤村の夜明け前より)
さらには、先人の功績や業績を引き継ぐという意味も含んでいるんだ。