【ことわざ】
家売れば釘の価
【読み方】
いえうればくぎのあたい
【意味】
家を売るときには、釘一本まで値打ちのうちに入ることから、どんな物でも時と場合によっては役に立ち、価値があるということ。


【英語】
・Everything has its value(どんな物にも値打ちがある)
・Nothing is worthless when the time comes(時と場合しだいで役立たない物はない)
・Every little thing can be of use(小さな物でも役に立つことがある)
【類義語】
・塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる)
・捨てる紙あれば拾う紙あり(すてるかみあればひろうかみあり)
【対義語】
・猫に小判(ねこにこばん)
・豚に真珠(ぶたにしんじゅ)
・無用の長物(むようのちょうぶつ)
「家売れば釘の価」の語源・由来
このことわざは、一つの有名な物語から生まれたというより、家の売買の場で生まれた実感を、そのまま短く言い表したものです。家を売るとなれば、家そのものだけでなく、そこに使われている細かな物まで勘定のうちに入ります。
その代表として挙げられているのが、釘です。釘はふだん目立たない小さな物ですが、家を形づくる材料の一つであり、売るときにはそれさえ値打ちの一部になる、という考え方がこの言い方のもとになっています。
ここで大切なのは、釘そのものの値段を細かく数えることだけではありません。目につきにくい物でも、いざという場面では、ちゃんと役目があり、評価の対象になるという見方が、このことわざのいちばん大事なところです。
つまり、「小さいから」「古いから」「今すぐ使わないから」という理由だけで、むだだと決めつけてはいけない、ということです。何かを売る場面ではもちろん、日常の暮らしの中でも、その考え方は広く通じます。
たとえば、道具箱の中の古い金具、引き出しに残っていた短いひも、包みをしばるだけの小さな紙片なども、必要なときには十分な働きをします。そうした経験を重ねるうちに、家売れば釘の価という言い方は、物の価値を見直すことばとして受け継がれてきました。
このことわざには、倹約の気持ちも少しふくまれています。けれども、ただけちな心をほめる言葉ではありません。物にはそれぞれ使い道があり、役に立つ場面を見つければ、小さな物でも生きるという考えが土台にあります。
そのため、このことわざは、実際の釘や家の話だけに限って使うわけではありません。今では、部品、材料、道具、切れはし、残り物など、ぱっと見では軽く見られがちな物全体について使われます。
さらに広く考えると、この言い方は物だけでなく、人の力や知識について思い出されることもあります。目立たない働きや、小さな経験であっても、必要なときにはしっかり役立つことがあるからです。
ただし、このことわざのもとの意味は、まず物の価値にあります。何でもかんでも大げさに広げるより、見落とされがちな小さな物にも値打ちがある、と受け取るのが自然です。
「価」という字が使われているのも、このことわざらしいところです。ここでは、ただ高い安いを言うのではなく、物が持つ値打ちや使い道までふくめて考えていることが分かります。
こうして見ると、家売れば釘の価は、暮らしの経験から生まれた、とても実際的なことわざです。小さな物をあなどらず、役に立つ場面をきちんと見つけようという知恵が、この短い言葉の中に込められているのです。
「家売れば釘の価」の使い方




「家売れば釘の価」の例文
- 修理箱に残っていた古いねじが机のぐらつきを直したとき、家売れば釘の価という言葉が浮かんだ。
- 引き出しの奥にあった短いひもが荷物をしばるのに役立ち、家売れば釘の価を思い出した。
- 文化祭の飾りつけで余っていた小さな布切れまで使えたので、家売れば釘の価そのものだった。
- 仕事場で取っておいた小さな部品が急な修理に役立ち、家売れば釘の価というほかなかった。
- 友だちが捨てようとした空き箱が整理に役立った場面は、家売れば釘の価のよい例である。
- 社会でも、見過ごされがちな細かな道具が災害時に役立つことがあり、家売れば釘の価は今にも通じる。























